女性ホルモン活用で美肌と脳トレ

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【美と若さの新常識】(NHKBSプレミアム)2017年5月31日放送
若返りの秘薬!性ホルモンを生かせ

女性らしい体といえば、ツルツルの美肌にキュっと締まった「く・び・れ」。若々しいスタイルを保つ秘薬は女性ホルモンのエストロゲンだ。その一方で、エストロゲンには脳の若さの象徴、記憶力をアップする力があることもわかってきた。

年をとっても女性にとって大切なエストロゲンを味方にすることはできる。食べ物や心の持ちようから若さを保つ方法を紹介する。

女性ホルモンが「く・び・れ」を作る本当の理由

番組では冒頭、ブラジル・リオのカーニバルを映し出した。ボン・キュッ・ボン! 胸や腰まわりがはちきれんばかりの美女たちが踊り回る。MCのお笑い芸人・後藤輝基が言った。

MCの後藤「うらやましいですな。このスタイルを陰で作っている支配者が女性ホルモン、エストロゲンです。エストロゲンをうまく使えば、若々しいスタイルを保つことができます。エストロゲンは『脂肪がつく場所』を決めているのです」

脂肪がたまるところは、主に内臓脂肪と皮下脂肪。生理がある若い女性は、主に皮下に脂肪をため込む。一方、エストロゲンが減る閉経後の女性はおなかの周り(内臓)に脂肪がつきやすくなる。番組では、20代と50代の女性のおなか周りの断面図を見せた。内臓脂肪面積の差は歴然。20代の女性は50代女性の5分の1。この差がウエストの「く・び・れ」になって現れる。エストロゲンが、おなかの内臓脂肪を減らしてくれるのだ。

エストロゲンは女性らしい体を演出する仕掛け人なのだ。だが、その真の目的はスタイルをよくするためではない。女性ホルモン研究のエキスパート、関東中央病院健康管理科部長の宮尾益理子医師が説明した。

宮尾医師「それは妊娠のためです。胎児に栄養を送り続け、出産後も母乳を与えなくてはいけないので、エネルギーをたくわえておく所として皮下脂肪を優先的に利用しているのです。皮膚は体の中で一番面積が広いので、内臓より、たっぷりためこむことができます」

生理の周期に合わせてダイエットをする裏ワザ

「くびれ」はその結果であって、「くびれ」を求めるあまり無理なダイエットをして皮下脂肪がなくなると、女性らしい体にはならない。そこで、エストロゲンを利用した無理のないダイエットの裏技を紹介する。月経の周期に応じて、エストロゲンの分泌量も変動する。エストロゲンがググッと上がってくるのは、生理の後から排卵の前までの時期。この時期は食欲は高まらないが、心が活発になるのでダイエットに最適だ。都内のあるスポーツジムで、排卵前1週間と排卵後1週間に、同じ量の有酸素運動と筋トレをする実験をした。すると、排卵前に運動した時に体脂肪量が減った割合は0.57%。排卵後に運動した時と比べると1.5倍も効果が上がった。

エストロゲンが女性の体に及ぼす、いい影響はほかにもある。それは脳の若さ、記憶力だ。東京大学の川戸佳名誉教授は、2004年に世界で初めて画期的な発見をした。エストロゲンが脳で作られ、しかも記憶力の向上に大きな役割を果たしていると発表したのだ。

川戸名誉教授「エストロゲンが作られているのは、まさに記憶を作るうえで重要な海馬と呼ばれる場所だったのです。海馬の中は、無数の神経細胞がネットワークを作っています。神経細胞が、ほかの神経細胞とつながる場所がシナプスと呼ばれるところで、そこでエストロゲンが作られていました」

「女のオシャベリ」は記憶力をぐんぐんアップさせる

エストロゲンは、いったい海馬で何をしているのだろうか。川戸名誉教授はマウスを使って神経細胞にエストロゲンを加える実験をした。するとわずか2時間で、神経細胞をつなぐシナプスの数がぐっと増えた。シナプスが増えれば、当然、記憶力も高まるわけだ。では、どうすれば海馬のエストロゲンを増やすことができるだろうか。川戸名誉教授は驚きの方法を紹介した。

川戸名誉教授「それは女子会です。女子会のおしゃべりで、『昔、こういうことがあったわね』と記憶をよみがえらせたり、新しく書き込んだりして記憶神経を働かせると、脳内のエストロゲンが増えるのです。そのほか、読書やカラオケも効果的です。大事なのは自分の好きなことをやるということです」
MCの後藤「ですが、残念な事実があります。女性はどんなに努力しても、40歳を過ぎ更年期に入ると、どんどんエストロゲンの量が減っていくのです。この大幅な減少は、くい止めることはできません。しかし、エストロゲンが減ったとしても、それを補ってくれる強い味方が新たに見つかりました。その強い味方の名は『エクオール』といいます」

納豆、豆腐、豆乳の大豆パワーが女性ホルモンの代わりに

「エクオール」とは何か。ここで、藤田保健衛生大学の松永佳世子教授が行なった、女性の肌の実験映像が公開された。50代女性2人の目じりのシワのアップ写真。特別な手当てをしなかった女性Aは3か月後、シワは深くなった。ところが、エクオールを服用した女性Bは3か月後、シワがほとんどなくなった。自分も毎日エクオールを飲んでいるという松永教授自身もツルッツル〜の美肌だ。実験に使ったエクオールは錠剤だが、このエクオール、自分の体で作ることができる。

松永教授「エクオールとは、腸内細菌の力によって体内で作られる成分で、エストロゲンと同じような働きをしてくれるのです。エクオール産生菌という特別な腸内細菌が大豆をエサにせっせと作り出します」

いったい、どのくらいの量の大豆を食べればよいのだろうか。その目安は1日に豆腐なら1丁、豆乳なら200ミリリットル、納豆なら1パック(30グラム)油揚げなら1枚だという。

松永教授「毎日大豆をしっかり食べ続ければ、エクオール産生菌がだんだん増えてきますよ。肌のシワもどんどん減ってきますよ」