5日、韓国の文在寅政権が誕生し間もなく1カ月となるが、新政権の閣僚候補や高官に指名・任命された人物に次々と疑惑が持ち上がるなど、人事面で問題が相次いでいる。写真は韓国大統領府。

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2017年6月5日、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)政権が誕生し間もなく1カ月となるが、新政権の閣僚候補や高官に指名・任命された人物に次々と疑惑が持ち上がるなど、人事面で問題が相次いでいる。韓国・ニュース1などが報じた。

文大統領は今月1日、アン・ヒョノ前知識経済部次官を大統領府の雇用首席秘書官に内定したものの検証で問題が発覚し内定を撤回、続いて5日には国家安保室第2次長の金基正(キム・ギジョン)氏が任命からわずか11日で大統領府を去った。大統領府は、金氏が「業務過多による急激な健康悪化と、世間でのうわさに対する道義的責任」を理由に辞意を表明したとしているが、韓国メディアは前後の状況からみて事実上の更迭と報じている。

金氏は延世(ヨンセ)大政治外交学科の教授を務めた後、2012年からは大統領選に出馬した文在寅氏の政策立案をサポートするなど、文大統領の外交政策分野を担ってきた最側近の一人だ。しかし先月24日に任命を受けて以降、教授時代の言動について女性団体などから「任命は不適切」との反発が出たため、大統領府が再度の「身体検査」を行っていた。

報道によれば、大統領府は内部検証によって問題の芽を取り除いたことを肯定的に捉えているというが、これとは別に、大統領の指名を受け国会人事聴聞会で検証を受けている閣僚候補者にも次々と疑惑が報じられている。文大統領は「偽装転入」「兵役逃れ」「不動産投機」「脱税」「論文盗用」の五つの問題に関与した人物を閣僚や高官に登用しないと公約に掲げてきたが、外交部長官候補の康京和(カン・ギョンファ)氏や公正取引委員会委員長候補の金尚祚(キム・サンジョ)氏にはすでに複数の疑惑が浮上しており、聴聞会で厳しい追及を受けているのだ。

この事態に野党からは批判の声が高まっており、保守系の自由韓国党は論評で「青瓦台(大統領府)に人事検証システムが存在しているのかすら疑わしい」と指摘、大統領府が国民に説明なり謝罪なりをすべきだと主張した。

こうしたごたごたが影響してか、6日の東亜日報の報道によると、大統領府はこれで6日間、閣僚候補者の発表を行っていない。与党関係者からは「事実上内定していた長官(閣僚)候補のうち3、4人は新たな人に変わるとの観測がある」との声も出ている。

しかし文政権への韓国国民の期待は非常に大きいようで、関連記事に寄せられた多数のコメントの中に、「身体検査」の問題を指摘するものはほとんど見当たらない。「検証システムがきちんと働いたから辞退者が出たんだよ!」「間違いを明らかにして是正するのが間違いなのか?」「前政権なら検証もしないで見過ごしてたはず」といった声が多くの共感を得、また「検証して更迭しても文句、検証しなくても文句」など、政権に批判的な論調の報道に反発するコメントも目立った。(編集/吉金)