街なかで、小さな子どもが親に「抱っこ、抱っこ」とせがんでいる姿をよく見かける。

お願いに応えて親が子どもを抱き上げると、その子が着るシャツがビヨーンとめくりあがるのも、おなじみの光景ではないだろうか。

買い物中の悲しい出来事

丸見えとなった子どものお腹に見慣れぬ装置が取り付けられていたら、誰でも驚くに違いない。

でも、そこで騒ぎ立てたり、まじまじとのぞき込んだりする人は稀だろう。

ところが、米国に住むDallas Lynnさんと当時2歳の息子Jameus君は、心ない人物と出会ってしまった。

Dallas Lynn/Facebook

時はさかのぼること1年ほど前、母と子が買い物のため近所のスーパーを訪れた時のことだ。

レジに並んでいる時、Jameus君が「ママ抱っこ」とせがみ、Dallasさんはカートから息子を抱き上げた。

お腹に付いたストーマ装置

その際、Jameus君の洋服がめくれあがり、お腹に開いた2つのストーマ(人工排泄口)と、そこに取り付けられた袋が丸出しの状態に。

Jameus君はヒルシュスプルング病という難病を患っており、先天的に消化管のぜん動運動を司る神経がなく、ひどい便秘や腸閉塞を引き起こす危険がある。

そのため、手術で腹部にストーマを設け、老廃物を外に出す必要があった。Jameus君の場合は結腸が2カ所あるが、症状によって回腸や膀胱の場合もあるそうだ。

自分の体を嫌いにならないで

生後2週間の時、Jameus君は脱腸を起こし危機的な状況に陥ったが、このストーマによって一命を取り留めた。この装置は、彼が生きていくのに欠かせないものとなった。

以来、母Dallasさんは、「息子が自分の体を悲観しないように導くのが親の務め」と考え、装置の付いた体ごと自身を愛するよう諭している。

そんな母の思いを踏みにじるような言葉を投げかけた人物が現れた。

心ない言葉

話は戻るが、スーパーのレジでDallasさん親子の後ろに並んでいた高齢の女性が、露になったJameus君のお腹を見てこんな言葉を発したのだ。

「いったい全体、彼のお腹はどうしちゃったの?」

見知らぬ女性の発言は、息子にネガティブな印象を与えかねないものだ。

母は「彼の腸は完成していないので、このような装置を付ける必要があるのです」と説明。病気のこと、ストーマのことをかいつまんで話したそうだ。

気持ち悪いからシャツを下して

これに対し、女性は「それは大変ね。でも、ゾッとするからシャツを下ろしてちょうだい」と返答。

Dallasさんは女性につかみかかり、叫び出したい衝動に駆られた。が、そんなことはせず、無難な挨拶を交わして他の列に並びなおした。

この出来事をきっかけに、母は息子の裸の写真を公開。

「別にゾッとするようなものではない」と訴えた。

Dallas Lynn/Facebook

「実際、米国内では50万人がストーマを付けている。息子の病気は珍しいけれど、ストーマは珍しくもなんともない」とも。

Dallasさんは投稿の最後にこう綴っている。

お腹に装置こそ付けているけれど、息子は普通の2歳児と変わらず元気で、走ったり、遊んだり、プールにも入るし、保育園にも通っています。

元気な息子だからこそ、これまでに20回以上も手術を受けたことや、痛みを伴う治療を毎日続けていることなど想像もつかないでしょう。今後も息子はこうして生きていくのです。

そんな彼は、私の宝物です。

どうか皆さん、言葉には気を付けてください。ご自身に関係なければ尚更です。人知れず病気と闘っている人がいるのですから。

くだんの投稿がこちら。

2016年4月の投稿だが、最近になり一部の海外メディアが取り上げ、改めて人々の目に留まった。

7万人近い人がリアクションし、シェア数も2万6000件を超えるなど注目を集めている。