14試合を戦い、暫定2位につけるC大阪。今後は清武の完全復活など攻撃陣にも好材料が加われば、さらに勢いづく可能性も。写真:川本 学

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 C大阪の勢いが止まらない――。
 
 6月4日の14節、ホームでの新潟戦に4-0と快勝。これで8勝4分け2敗、勝点28で、柏に次いで暫定2位に浮上。昨シーズンのJ2リーグで最後までもがき苦しみ、J1昇格プレーオフでなんとか勝ち上がってきたチームが、今季、大きな変貌を遂げ、躍進している。

 
 その原動力のひとつが、守備の安定だろう。14試合を終えて、失点はわずか11。これはリーグトップの少なさだ。昨シーズンのJ2では42試合で46失点とリーグ9位の数字だったが、その時のメンバーがほぼ主軸として残っていることを見ても、チームとしての守備力の向上が、形になって表われている。
 
 この新潟戦でも、30度を超える暑さのなか、新潟のカウンターに特化した戦いに苦しむところもあったが、「そこはしっかり分析していたし、カウンターが速いことは分かっていたので、リスク管理というのは90分間通してできていた」と丸橋祐介。ひとりがプレスにいってかわされても、次のカバーの意識が高く、簡単に突破を許さない。
 
 また、決定機を作られても、最後の砦、GKキム・ジンヒョンの好セーブでピンチを凌いだ。守護神は、「(守備の時に)ひとつの選択肢だけじゃなく、二つ、三つとあったのが良かった。ひとつだけなら、その勝負に賭けるしかないけど、他に選択肢があるので、ちょっと(セーブまでに)余裕を取れる時間を味方が作ってくれた」と堅守の理由を語っている。
 
 さらに、「取られたあとの切り替えというのが、今はみんな速くて、みんなで守って、みんなで攻撃してというのができている」と水沼宏太も述べるように、全体で攻守に連動し、帰陣の速さ、粘り強いカバーリングが、守護神の好パフォーマンスにもつながっている。
 
「けっこう攻めているのに、簡単にやられちゃうと、もったいないなと思いますし、11人みんなが、昨年よりも守備の意識をかなり高く持っている。前(攻撃陣)がこれだけ走ってくれたら、後ろも気を抜くことはできない」(キム・ジンヒョン)
 
 攻守全体の信頼関係ができているからこそ、良い守備が構築できていると言える。
 山下達也とともに最終ラインの中央を司るマテイ・ヨニッチは開幕前からの守備の変化を次のように感じ取っている。
「プレシーズンからずっと同じことを(監督から)指示されているなか、繰り返しの部分だったり、同じことを何回もやっているうちに、チームとしてオーガナイズができている」
 
 今季から指揮を執るユン・ジョンファン監督の組織的な守備をベースとする戦い方も、着実に浸透しているようだ。
 
「今、結果が出ているのは、全体が献身的に守備をやって、いい攻撃につながっているから。それを忘れずに、僕たちは(J1昇格)プレーオフから上がってきたチームなので、一戦一戦集中しながら、献身性を忘れずに戦っていきたい」
 山村和也もそう気を引き締めたように、ユン・ジョンファン監督が常に言う『犠牲心と献身性』というキーワードが、C大阪の強力な守備を支える柱。その継続こそ、C大阪の今後にも欠かせないものになる。
 
取材・文:前田敏勝(フリーライター)