今回のビジネス女子マナーは、メーカー会社勤務の角田薫子さん(仮名・29歳)からの相談です。

「6月に入って、湿度が高くなってきたせいか、社内の男性の体臭が気になってしかたがありません。とくに、スーツから放たれる生ゴミのようなタバコのニオイや腐った魚のような汗のニオイには、思わず嘔吐きそうになります。仕事に集中できないので、マスクをするようにしているのですが、私自身も口の周りが蒸れて快適ではありません。臭いと直接言うのはまずいとわかっているのですが、どう言ったらいいのかがわかりません」

さっそく、鈴木真理子先生に教えていただきましょう。

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個人攻撃はNG、パワハラになった事例も

例年通りとすると、 そろそろ関東地方も梅雨入り。湿度が上がるため、窓を閉め切った満員電車の中にも変なニオイが充満します。ジメジメと重たい、不快な季節がやってきますね。

臭いニオイは、人に不潔な印象を与えます。ビジネスの世界では、清潔感は身だしなみの重要なポイント。特に気を配って欲しいところです。

ご存知の方も多いと思いますが、汗そのものがクサイのではなく、汗を放置することによって雑菌が繁殖するせいで臭くなるのです。
タバコや焼肉などのニオイなども同様、そのものじたいのニオイも臭いですが、それがほかのニオイと混ざってますます臭さを放ちます。

汗拭き用の携帯ウェットタオルや、衣類のニオイをとる消臭ミストなど、便利なアイテムがたくさんあります。社員同士、情報を共有していきたいものです。

ただ、体臭に個人差があるのは否めないこと。それに、自分のニオイは誰もが気づきにくいものです。

先日、ある企業で行なったセミナーの終了後、女性2名の方から相談を受けました。その相談とは、まさに、この話題だったのです。

質問者さんと同じく、同僚の男性の臭いニオイが職場に充満して、仕事に集中できないというのです。彼が通り過ぎるたびに、ジュワっとした、明らかな臭さを感じるんだとか。

彼女たちは、彼に自分の臭いニオイを気づいてもらおうと、強い香りのするハンドクリームをベタベタと手に塗って、彼の周りに香りを放ったそう。でも、まったく気づかれない。どうすればいいでしょう、とのことでした。

気づかれなくてよかったです。
ニオイ問題はデリケートなので個人攻撃はダメ。パワハラになった事例もあるくらいですから、指摘には細心の注意が必要です。

業績アップのための提案として、議題にあげてみては

提案するなら、朝礼やミーティングのときに、クールビズとからめて、マナーについてみんなで話し合ったらどうでしょう? 

社内はともかく(イヤでしょうが)、不潔を理由に社外で仕事を干されたり、彼の評判が下がったりしてはもったいないです。万が一、そのせいで部署の売り上げなど、数字が下がるようなことになれば、連帯責任になります。ぜひとも彼を助けましょう。

特に営業職の男性の場合。クールビズとはいえ、客先訪問に半袖Yシャツ姿は失礼と思う人も少なからずいます。そんな彼らは熱中症になりそうな気候でも、相変わらず長袖のYシャツと上下スーツを着ています。熱い中、外を歩けば、汗をかくのは当然です。逆に言えば、仕事に熱心な証拠でもありますよね。

しかし、そのまま放置すれば臭くなるのも当然です。残念ながら、スーツをクリーニングに出すのは衣替えのタイミングだけという男性が大半というのが現状です。毎日シャツや肌着を替えているから大丈夫、と思っている人も多い。スーツがニオイを溜めていることを知らないのです。啓蒙は必要かもしれません。

「お客様から『汗のニオイが気になった』との話があったので、みんなで注意していきましょう」と、全員に一斉送信でマナー3か条をメールするのもよいと思います。

・スーツは衣類消臭ミストで除菌しよう
・汗ふきシート、ウエットティッシュを携帯し、こまめに汗ケアをしよう
・肌着とYシャツは1度着たら必ず洗濯しよう

など。すぐに誰でも実践できる、具体的なことを提案するのがポイントです。
お互いに気持ちよく過ごせるように、一度ニオイ問題を職場で取り上げてみてはいかがでしょうか。

「こんなに臭い男と付き合ってるなんて、あの女、どうかしてる」と怒りの矛先がカノジョに向かい、ディスりにまで発展してしまう独身アラサーOLも。



■賢人のまとめ
ひとりを断罪するのではなく、「みんなで気をつけませんか」という提案型がおすすめ。意外と自分のニオイには気づかないものなのです。

■プロフィール

女子マナーの賢人 鈴木真理子

三井海上(現・三井住友海上)退職後、“伝える”“話す”“書く”能力を磨き、ビジネスコミュニケーションのインストラクターとして独立。セミナー、企業研修などで3万人以上に指導を行う。著書は『ズルいほど幸せな女になる40のワザ』(宝島社)のほか、近著『仕事のミスが激減する「手帳」「メモ」「ノート」術』(明日香出版社)、『絶対にミスをしない人の仕事のワザ』は7万部を超えるヒットとなる。 

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