襲撃事件が起きた英ロンドン橋の南側で犠牲者のために花を手向ける人たち(2017年6月5日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】英首都ロンドン(London)で多数の死傷者を出した3日の襲撃事件から数日たち、英国民は苦境に動じない証しとして、ソーシャルメディア上で持ち前のドライなユーモアと不屈の精神を前面に押し出している。

 この攻撃については、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」が犯行を認めている。しかしソーシャルネットワークユーザーらは、イスラム過激派の脅威と、インターネットがあおるヒステリー状態に真っ向から立ち向かおうと、「ISが犯行声明」を意味する「#IslamicStateClaims」という皮肉たっぷりのハッシュタグで応戦した。

 あるユーザーは、英BBCの人気料理番組「グレート・ブリティッシュ・ベイク・オフ(The Great British Bake Off)」の同チャンネルでの放送打ち切りといった「凶行」もISの仕業だろうか、と冗談を飛ばした。

 また食品大手ネスレ(Nestle)のチョコレート製品「クオリティストリート(Quality Street)」の箱のサイズが年々明らかに小さくなっていることを示す写真を掲載し、「これもわれわれがやった。#IslamicStateClaims」というコメントを添えた人もいた。

 米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)の「英ロンドン襲撃、マンチェスター(Manchester)爆弾攻撃の衝撃に揺らぐ同国を再び直撃」という真剣な見出しでさえ、「英国人を動揺させるもの」という意味のハッシュタグ「#ThingsThatLeaveBritainReeling」でジョークの種にされた。

 ある人は、第2次世界大戦(World War II)のロンドン大空襲のがれきの中を歩いて牛乳を運ぶ配達員の写真に「違うな、ニューヨーク・タイムズ こういうのが本物の『衝撃』だ。われわれがパニックに陥るのは、紅茶に入れるミルクがない時だ」と書いた。

 さらに、3日夜の攻撃現場から避難する男性が、ビールがまだ半分残ったコップをしっかり握り締めながら走っている写真は、英国が誇る平常心の象徴という見方もある。

 リバプール(Liverpool)の地元紙エコー(Echo)がこの男性を、同市近郊の町マガル(Maghull)のポール・アームストロング(Paul Armstrong)さんと特定。「意外な国民的英雄」と紹介した。

 同紙はアームストロングさんの親戚が書いたというフェイスブック(Facebook)の投稿を引用し、アームストロングさんがビールを手放さなかった理由は「首都ロンドンで買った高い飲み物を無駄にしたくなかったからだ」と明かした。そこには「リバプール辺りの者がロンドン値段でビールを買うとああなる」とも書かれている。

 インターネットユーザーは一様に、アームストロングさんのとっさの行動を温かく受け止めた。「ロンドン橋から逃げる人々に交じって、この人は一滴たりともこぼしていない。英国人に幸あれ!」といったコメントや、「もしビールを残して去ろうものなら、テロリストの勝ちだ。#NeverSurrender(絶対に降伏するな)」といった投稿が寄せられた。
【翻訳編集】AFPBB News