シリア北部の町タブカで、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」の旗を降ろす、米軍が支援するクルド人とアラブ人の合同部隊「シリア民主軍(SDF)」のメンバー(2017年4月30日撮影、資料写真)。(c)AFP=時事/AFPBB News

写真拡大

【AFP=時事】オーストリア南部グラーツ(Graz)の裁判所は2日、シリアのイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」支配地域に自分たちの子ども計8人を連れて滞在した夫婦2組に対し、最高10年の禁錮刑を言い渡した。滞在中、子どもたちはISによる処刑映像を見せられることもあったという。

 夫婦2組は2014年12月、8人の子どもたちを連れてシリアへ渡航した。最も幼い子どもは2歳だったという。ISの下に滞在する間、子どもたちは残酷な処刑映像を見せられ、うち7歳の男児は実際の斬首の場にも居合わせたという。

 父親の一人、ハサン(Hasan)・O被告(49)は公判で自分はISのメンバーではなく、負傷した戦闘員のためのマッサージ師として働いていたと述べた。また「(グラーツの)モスクで、渡航すればイスラムの教えに従って暮らすことができ、女性や子どもにも自由があると聞いた」と語り、当初は10〜12日間を過ごすつもりだったと述べた。しかし、現実に幻滅した2家族は2016年4月にシリアを後にし、トルコから本国へ送還され、子どもたちは保護された。

 夫婦2組の被告4人は、テロ組織への参加と児童虐待および養育放棄で有罪となり、うち3人には禁錮10年、残る1人に禁錮9年が言い渡された。被告のうちオーストリア生まれでイスラム教へ改宗した女性1人を除く3人は、ボスニア出身のオーストリア国籍保持者だった。裁判長は判決について「オーストリア国家はこのような事態を容認しない」ことを示すことを意図したと述べた。

 近年、他の欧州諸国がイスラム過激派による攻撃にさらされる中、オーストリアはこれまでそうした被害を免れている。しかし一方で、シリア内戦の開始以来、同国から約300人がシリアへ渡航しており、870万人の人口に対する割合としては、欧州連合(EU)加盟国の中で最も高い部類に入る。
【翻訳編集】AFPBB News