日々仕事をしていると、必ずつまずいたり、壁ににぶつかったりするもの。

上司と関係がギクシャクしてつらい時、同僚と自分を比べてしまってしんどい時、自分がやっていることにホントに意味があるのかな?と考えちゃって不安な時……。

理由は人それぞれだけど、そんな苦しい時に、周囲の人からかけられた言葉に救われたという経験はないでしょうか?

今回は20代後半から30代のオトナ女子に、「今も心に残っている神ワード」をヒアリング調査してみました。

今のあなたの心に響く言葉があるかも。

あの人の言うことがすべて正解じゃない

28歳・ベンチャー企業勤務

入社1年目の時でした。ベンチャー企業に就職したんですが、当時配属された部署が新規アプリの立ち上げ真っ只中だったんです。アプリをローンチしたあとも、会社全体の事業が伸びず、今後を左右する大変な時期で、社内も殺伐としていました。

そんな中私は、毎日毎日上司にあることないことで怒られて……。

あの頃は、上司に詰められすぎて精神的にも体力的にも限界。毎日血便が出て、顔中ニキビだらけになり、会社に続く宮益坂を吐きそうになりながら登ってました。自分だけが悪いわけじゃないのに、なんで入社1年目の私だけ……? もう、とにかくずっと我慢してたんです。

ある日、私がまた例の上司に怒られていた時のこと。見かねた他部署のディレクターが、「まあ、あの上司の言うことがすべて正解じゃないからさ」と声をかけてくれました。

きっと、傍目にもあまりにいっぱいいっぱいだった私をフォローするためにかけた何気ない一言だったと思います。でも、あの一言に当時の私がどれほど救われたことか。どんなに頑張っても認めてもらえない。いつも自分が悪いかのように責められる。それを誰にも理解してもらえない。そう思い詰めてつらかった時に「わかってくれる人がいてくれた」と気づいただけで、心がフッと軽くなりました。そこからはとにかく努力と根性で上司が認めてくれるまで何度もチャレンジして改善し、入社6年目の今も同じ会社で働き続けています。

ゆでガエルになるなよ

32歳・IT企業勤務

新入社員だった22歳の時、研修で他部署の課長に「ゆでガエルになるなよ」と言われました。熱いお湯にカエルを入れればすぐに逃げるけど、常温の水を徐々に熱していくと変化に気づかずに、熱湯になった時には、ゆで上がってしまう。つまり、環境の変化に対応することの大切さや、難しさを説いている話です。

「ゆでガエル理論」は結構知られているようですが、その言葉を聞いた時、「このまま会社の中でぼーっとしていたらまずいな。自分が働くことが何か人のためになったり、社会に還元されたりしていなきゃダメなんだな」と思って身が引き締まりました。

この言葉は10年経った今でも時々思い出します。そのたびに自分がぬるま湯に浸かっていないか、俯瞰して考えるようにしています。

尻尾を捕まれないくらいでちょうどいい

33歳・出版社勤務

あまり感情を表に出さないタイプの私。そもそも感情の波がそんなにないし、ぶっちゃけキャラでもないだけなのですが、よく上司や先輩から「もっと自分をさらけ出してよ!」とか「捉えどころがないよね」と言われていて悩んでいました。自分にとっては、これが自然体なんだけど、職場ではもっと別の振る舞い方やコミュニケーションの取り方にした方がいいのかな……って。

でも、ある時、仕事で知り合ったカリスマ経営者の方から「僕も君くらいの歳の頃はよく、つかみどころがない奴だって言われてた。だけど、そのへんの奴らに簡単に尻尾をつかまれるようじゃ、ダメだよ。捕まれないくらいでちょうどいいんだよ」と言われて。

会社にいると、どうしても人とのコミュニケーションで悩んでしまうこともあるけど、無理して自分を変える必要はなく、そのままでいいんだな、って。とても気がラクになりました。

自分だけの時計を持ちなさい

29歳・広告代理店勤務

成績が数値で見えてしまう職場でした。つまり、自分と同僚が日常的に比べられるし、自分も同僚の成績が気になりやすい環境だったんです。

直属の上司はとてもいい人だったけれど、一人一人タイプによって育て方を変える人でした。繊細な子は褒めて育てて、もともと明るく体育会系な私には、いつも厳しく……という教育方針だったので、ふとしたときに「なんで私ばっかり怒られてるんだろう。私だって頑張ってるのに……」と同僚と自分を比べてしんどくなった時期がありました。

でもある日、その上司がこんなふうに言ってくれたんです。「自分だけの時計を持ちなさい。どうしてもまわりと自分を比べてしまい、他人は成長しているのに、自分は成長していない、結果を出せていない……と落ち込むこともあるかもしれない。けれど、人それぞれ進むスピードは違うから。自分の針があまり進んでいないと感じていても、ある時一気に動いている時もある。まわりを気にせず、自分のペースでやればいい」と言われ、他人と比べる必要はないんだなぁ、と思いました。

確かに、早くから結果を出せる人もいれば、時間をかけて成功する人もいますよね。そして人それぞれ個性や能力、向いてるものも違う。焦ることなく、周りを気にせず自分のペースで頑張ろうと思いました。

ちなみに、この言葉は会社の創立者の言葉だったそうです。上司は創立者の方から直接言われて学んだそう。この素敵な言葉が語り継がれていく環境で働けて幸せだなぁ、と思えた瞬間でもありました。

「このやり方でやる」と押し切らないといけない時がある

34歳・IT企業勤務

20代半ばで転職した会社でのこと。初めての業界で右も左もわからず、何をやるにも先輩や上司に意見を聞いてオドオドと仕事をしていた時期がありました。まあ、ブラック気味の会社で、仕事について誰も教えてくれないという事情もあったんですが。

入社して2ヶ月目にはだんだん心も病んできて、自分では何も決められない状態になってしまい、「もうこの会社では限界」と感じていました。

そこで、上司に、辞めよう思っていること、自分に自信がないことなどを伝えたところこう言われたんです。

「上司としてではなく、一人の人間として伝えることだと思って聞いてほしい。何かをやろうとする時、まわりからどう思われようと『私はこのやり方でやる』と押し切らないといけない時がある。それだけは覚えておいて」と。

結局、その会社は早々に辞めてしまいましたが、今も時々その上司の言葉を思い出します。自分の意志や意見を持つこと、やり遂げることの大切さは、社会人経験を積むほどに身にしみるようになりました。無茶苦茶なところもある上司だったので、今では反面教師として捉えているんですが、やはり上に立つ人として、彼女の決断力には尊敬する部分もあるんです。

その後もいくつかの会社を転々としましたが、心に残っている言葉は、必ずしも尊敬する人からかけられたものとは限らないような気がします。すごく嫌いだった人がポッと口にした言葉に気づかされたり、背中を押されることもあったりしますし。

一日でも長く生きる。その分多くの人に出会えるから

29歳・医師

医者を目指していた学生の頃、友人から「人間はいずれ死ぬのに救う意味あるの?」と問われたことがありました。「医者になりたい。人々を救いたい」という思いはあったけれど、その頃はまだその問いにうまく答えることができませんでした。

でも、ある時、ボランティア先で出会った患者さんに、「一日でも長く生きる。その分多くの人に出会えるから。今日あなたに会えてよかった」と言われ、限りある時間の中で、尊い命と向き合って生きていく覚悟が決まりました。命を救う意味を見出せたんです。

今は小児科医として日々奮闘しています。いつか、世界中の子どもたちが子どもらしく生きられるようになるまで、医者としてそのお手伝いをしていきたいと思っています。

私の背中を押してくれた言葉たち

きっと誰しもが仕事がつらい時期、苦しい時はあるもの。悩みはきっと人それぞれ違うけれど、人にかけられた言葉で救われる瞬間ってあるものです。

そして、昔かけてもらった言葉を思い返してみると、成長した自分に気づくことも。

仕事をする上で悩みは尽きないけれど、みなさんの心が少しでもラクになりますように!

ウートピ編集部