自由民主党HPより

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 本日、衆院決算行政監視委員会と参院予算委員会で加計学園問題の追及が行われたが、安倍首相は案の定、野党の追及に「印象操作だ!」とわめき立てることに終始した。

 しかも、まともに質問に答えず、ダラダラと答弁して質疑時間を削ろうとする安倍首相の態度に野党が反発すると、安倍首相は「国民のみなさん、私が答弁しようとするとこうやってヤジで妨害するんです」「みなさんが汚いヤジを飛ばすことを国民が嫌っているんですよ」「民進党にありがちなヤジですね」などと民進党バッシングに余念がなかったが、当の安倍首相こそが質疑中に何度もヤジを飛ばし、委員長に不規則発言を注意される始末。

 さらに、「総理は『働きかけがあったら責任を取る』と述べたが、どんな責任か?」と尋ねられても、安倍首相は"獣医学部新設は民主党の方針を引き継いだ"という無茶苦茶な話にすり替えた挙げ句、「みなさんのときは、(話が)上がってきたらめくら判ですか?」と"差別用語"までもち出したのだ。

 その上、きょうもまた新たな事実が判明。2013年5月にミャンマーへ外遊した際、安倍首相は学校法人加計学園の加計孝太郎理事長を同行させ、なんと政府専用機にまで搭乗させていたことがわかったのだ。

 だが、その事実を外務省の志水史雄・大臣官房参事官が認めるも、安倍首相はこのように正当化した。

「(加計学園は)ミャンマー人の職員もいるし支局もあるし、たくさんの留学生を受け入れている」
「外国人留学生の弁論大会をじつは加計学園でやっていて、これは大きな大会なんですが、そこで何回かミャンマーの学生も優勝しているという経緯もあるから、当然のことなんですよ」

 しかし、この安倍首相の主張も「嘘」だ。岡山大学が公表している「岡山県内における外国人留学生の状況」によると、加計学園グループ傘下である岡山理科大学や倉敷芸術科学大学といった大学によるミャンマーからの留学生受け入れは、2013年5月の調査ではゼロ。過去10年のあいだでも、2009年と11年の段階で倉敷芸術大学が3名を受け入れているのが最高人数だ。また、同法人傘下の千葉科学大学は2016年のデータではミャンマーからの留学生は1名。一方、独立行政法人日本学生支援機構によれば、2013年度の日本の高等教育機関へのミャンマーからの留学生数は1193名だ。とてもじゃないが、加計学園が「たくさんのミャンマーからの留学生を受け入れている」とは言えない。

 しかも、加計学園のミャンマー支局長は、安倍昭恵氏が名誉顧問のNPO法人「メコン総合研究所」の副所長と事務局長を務めており、加計学園と事業提携を結んでいる関係にある。こうした関係を「文藝春秋」5月号に掲載したジャーナリスト・森功氏のレポートでは"加計理事長はビジネスの一環として昭恵夫人の面倒を見てきたのではないか"と指摘されていたが、今回、判明した政府専用機に搭乗させるなどの"特別扱い"も、結局は安倍首相と加計理事長の親密さが端緒になっているのだ。

●安倍首相は「加計学園は良いことをやっているんだから当然」と開き直り

 にもかかわらず、安倍首相は昭恵夫人と加計学園をめぐる問題を追及されると、こう声を荒げた。

「加計学園が良いことやっているんですから、一緒にやるのは当然のことじゃありませんか」

 加計学園は良いことをやっているから当たり前──。まるで子どもの言い訳のような稚拙さだが、さらに安倍首相と加計理事長らが仲良く肩を並べ撮られた写真を昭恵夫人が「クリスマスイブ。悪巧み・・・(?)」という文章を沿えてFacebookに投稿したことについても、安倍首相は「そういう写真を出してまさに印象操作を一生懸命されているんでしょうけど、懸命な国民はそれは別だとよく理解しておられるんだろうなあと思います」「だいたい、ほんとうに悪巧みしようとしたら、そんな写真なんて出さないですよ」と主張したが、一連の森友学園問題しかり、昭恵夫人の行動を考えれば、多くの国民はむしろ「昭恵夫人なら出しかねない」と感じたことだろう。

 それにしても、きょう国会で追及を受けて安倍首相が醜態を晒すしかなかったのは、完全に劣勢に立たされているからだ。内部文書だけでなく前川喜平・前文科事務次官の証言、そして文科省内で「官邸の最高レベルが言っている」と書かれた問題の文書が添付されたかたちでメールにて共有されていたことが発覚するなど、逃げ道はない。

 事実、このメールについて松野博一文科相は「出所や入手経緯が明らかになっていない場合は調査は行わない」と述べたが、対して民進党・今井雅人議員はメールを共有していた担当者たちの名前を読み上げ、「こういう名前の人は文科省にいるか」と質問。すると、文科省の常盤豊・高等教育局長は「同姓同名の職員はおります」と答弁した。官邸が「怪文書」扱いする内部文書が実在することは、もはや証明されたと言えるだろう。

●「2018年4月開学が条件」は京産大には伝えられていなかった!

 さらに、獣医学部新設をめぐっては、昨年11月18日に内閣府が「2018年4月開学に限る」と方針を打ち出したが、それより以前の同年10月の段階で今治市議会は2018年4月開学を前提にしたスケジュールを記載していたことがわかっている。そのことについて共産党の宮本徹議員から「開学時期について京都産業大学には伝えていたのか」と訊かれた山本幸三地方創生相は「事前に今治市にも京都府にも伝えていない」と答弁。今治市が作成した資料には、はっきりと「内閣府の考えているスケジュール感に対応するため」と書かれ、しんぶん赤旗の取材に「内閣府も18年4月開学の思いを共有していると判断していた」と答えているにもかかわらず、だ。

 つまり、文科省に対して「2018年4月に開学できるように早く動け」と強く迫っていたのは、やはり「加計学園ありき」の計画だったためであり、だからこそ京産大には2018年4月開学という条件は伝えられていなかったのだ。菅義偉官房長官は「総理の指示のもと、スピーディーに実現をすべく関係省庁が議論を深めるのは当然のこと」などと強弁し、国家戦略特区という一般論に問題をすり替えてきたが、これも嘘だったのである。

 また、安倍首相は、こうした加計学園ありきで進行してきた事実を突きつけられると、「愛媛県の前の知事の加戸(守行)知事も強く述べていたが、とにかく四国にないという状況を変えなければならないという主張をしてきた。四国にないということをまったく無視して議論するのはどうかと思う」と、安倍首相が国家戦略特区会議の今治市分科会委員に任命した加戸氏の言葉を使って反論した。

 だが、加戸氏をめぐっては、こんな話もある。3日放送の『報道特集』(TBS)のインタビューでは前川氏が、2013年1月に発足した教育再生実行会議の有識者メンバーに加戸氏が選出された理由について、「加戸さんが委員になるに当たっては、総理から直々にご指名があった」「教育再生実行会議の場で獣医学部の話をもち出されたことが2度ばかりある。唐突の発言だったので覚えている」と話しているのだ。

 本サイトで指摘してきたように、加戸氏は以前から獣医師学部新設の規制緩和を訴えていた人物であるが、安倍首相が教育改革を提言する教育再生実行会議の有識者メンバーに加戸氏を選んだ理由も、獣医学部新設に向けて加計前提の布陣を敷くためだったのではないかとも考えられるだろう。

●"アベ友特区"に「納得できない」と72%が回答! 58%が「前川氏のほうが信じられる」とも

 安倍首相はきょうの国会で「私の意向は入りようがない」などと宣ったが、いかに安倍首相が政府専用機に搭乗させるなど加計理事長を特別扱いしてきたのか、そして首相補佐官や内閣参与まで動員して前川氏に"恫喝"するなど、加計学園の獣医学部新設に安倍首相が関与した事実が毎日のように出てきている。きょうの国会でも指摘されたが、安倍首相は「岩盤規制に、加計学園だけが通れる型の穴を開けた」のであり、いわば「アベ友特区」なのである。しかし、結局、安倍首相は「民進党ガー」と姑息に責任を転嫁し、馬鹿の一つ覚えで「印象操作だ!」を繰り返すだけなのだ。

 しかし、この卑しい態度を国民はしっかり見ている。JNNの世論調査では、政府側の説明に「納得できる」と答えたのはたったの16%で、「納得できない」とした人は72%にも及んだ。さらに、「総理のご意向」文書についての説明で「政府と前川氏、どちらの説明を信じるか」という問いに、「前川氏の説明」と答えたのは58%、「政府の説明」と答えたのはわずか19%にとどまった。安倍首相をはじめとする安倍政権の言い分を国民は納得などしていないし、前川氏の証言のほうが圧倒的に腑に落ちているのだ。

 いくら安倍首相が嘘と詭弁で乗り切ろうとしても、国民は前川氏の証人喚問を求めている。安倍首相は今後、加計学園問題を有耶無耶にさせる気かもしれないが、野党はなんとしても前川氏の証人喚問と集中審議を実施させなければならない。
(編集部)