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外為どっとコム総合研究所の神田卓也氏が2017年4月の為替相場レビューと、今後注目の経済指標やイベントをもとにした今後の相場展望をお届けする。

【ドル/円相場4月の振り返り】

4月のドル/円相場は108.134〜111.774円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約0.1%の上昇(ドル高・円安)と、ほぼ横ばい圏の動きであった。北朝鮮やシリアなどの地政学リスクが意識されたほか、米経済指標に弱めの結果が目立った事もあって節目の110円を割り込むなど、前半はドル売り・円買いが優勢の展開。欧米勢がイースター休暇中の17日には108.134円まで下値を切り下げて年初来安値を更新した。ただ、23日の仏大統領選(第1回投票)を波乱なく終えた事や、25日の北朝鮮軍創設記念日に紛争が起きなかった事からリスク回避ムードが緩むと流れが変わった。月末にかけては、本邦機関投資家のドル買い観測などにも支えられてドル買い・円売りが強まり、前半の下げを全て埋める形で反発した。

【ドル/円相場5月の見通し】

ドル/円が月足チャートに残した4月の足型は、長い下ヒゲを伸ばした小陽線となり1-3月の流れ(3連続陰線)が転換点を迎えた可能性を示唆。また、長期トレンドラインである52週移動平均線が、200日移動平均線に続いて緩やかに上向きに転じるなど、チャートフェースは総じてドル高・円安方向に動き出す予兆を示している。こうした流れを確かなものにできるかが5月相場の焦点であり、最大の注目ポイントは米国のファンダメンタルズになりそうだ。チャートがいくら上昇を示唆しても、米国のファンダメンタルズが景気減速を示唆すれば、ドル/円の上昇は覚束ないだろう。次の節目である115円に向けて続伸するためには、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げが、年内あと2回以上行われるとの見方が定着する必要がある。米第1四半期国内総生産(GDP)が前期比年率+0.7%と、米国の潜在成長率を下回る伸びにとどまっただけに、第2四半期の始まりである4月分の主要な米経済指標の結果(5日の4月雇用統計、12日の4月小売売上高など)が注目されよう。

そのほか、北朝鮮情勢からも引き続き目が離せない。もし朝鮮半島で武力衝突が起きれば、一時的にせよドル安・円高に振れる公算が大きい。仮に「有事」となっても紛争が泥沼化する可能性は低く、為替相場への影響も長期化する事はないと見るが、短期的には投資家のリスク回避姿勢が強まる可能性が高いため注意が必要だろう。

○執筆者プロフィール : 神田 卓也(かんだ たくや)

株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長。1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信(デイリーレポート『外為トゥデイ』など)を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。Twitterアカウント:@kandaTakuya