第61味 中国
習近平主席の肝いり事業狄憩旦〞構想は中国経済の新たな起爆剤となるか?

さっそく期待が先行し、発表直後に関連銘柄が軒並みストップ高に

今年3月下旬ごろから4月上旬にかけて、中国の上海総合指数がにわかに上昇する局面がありました。4月7日には約1年3カ月ぶりの高値をつけています。

上昇した背景のひとつが中国の「新特区」構想です。「雄安(ユーアン)新区」と呼ばれるこの特区は、今年4月1日に中国政府が計画を発表しました。その具体的な場所ですが、北京から南西に約100キロ離れた河北省の3県(雄県、安新県、容城県)にまたがるエリアで、天津と北京をそれぞれ線で結ぶと、ちょうど三角形(下の図)のようになります。

雄安新区は、今後20年間で4兆元もの資金が投じられる予定で、習近平主席による肝いりの事業です。また、深セン経済特区や上海浦東(プートウ)新区に並ぶ、国家級の新区であると位置づけられており、その本気度が感じられます。

特区開発の狙いは、北京が抱える問題(人口集中や大気汚染、交通渋滞、水不足、住宅価格高騰など)の問題を緩和させるとともに、非首都機能の移転や企業の誘致を積極的に行ない、三角形の頂点(北京、天津、雄安新区)が連携しながら発展、一大経済圏を形成していくことです。

また、雄安新区の建設にあたって掲げているテーマは、ヾ超に配慮したスマートシティー、▲魯ぅ謄産業の発展、質の高い公共サービスの提供、じ率的な交通網の整備、ゲ革の推進で公正な市場の役割強化、θしい生態型都市の建設、Я缶姪な対外開放の7項目です。

壮大な計画であるためか、さっそく期待が先行し、株式市場では発表直後に関連銘柄が軒並みストップ高となりました。ただし、ほぼゼロからの都市建設であることや、具体的な計画内容とスケジュールがまだ固まっていないことを踏まえると、中国経済に影響を与えるほど育つのは、まだ少し先になりそうです。

しかも中国には現在、18カ所の国家新区と7カ所の経済特区が存在していますが、なかには計画倒れで本格的な発展に至っていないところも存在しています。

雄安新区は国家的プロジェクトとして位置づけられているため、あまり心配はいらないと思われますが、本格的に始動するタイミングが待たれます。

楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト 土信田雅之

新光証券などを経て、2011年10月より現職。ネット証券隨一の中国マニアでテクニカルアナリスト。歴史も大好きで、お城巡りと古地図収集が趣味。