トム・クランシーによる小説「レッド・オクトーバーを追え!」に登場する原子力潜水艦レッド・オクトーバーが搭載した推進システム「キャタピラー・ドライブ」のような、画期的な潜水艦用エンジンが現実世界で登場しています。

China's new submarine engine is poised to revolutionize underwater warfare | Popular Science

http://www.popsci.com/china-new-submarine-engine-revolutionize-underwater-warfare

トム・クランシーによる小説「レッド・オクトーバーを追え!」に登場する原子力潜水艦のレッド・オクトーバーは、ポンプジェットと電気推進技術を用いた無音の推進システム「キャタピラー・ドライブ」を搭載していたのですが、この推進システムによく似たリム駆動のポンプジェットエンジンを中国が開発したと中国の国営メディアが報じています。

中国の国営TV局「CCTV 13」が、中国海軍の最高技術責任者である馬偉軍司令官とのインタビューを放送しました。この放送の中で、馬偉軍司令官は中国海軍における「電磁カタパルト」や「レールガン」といった電磁気関連技術の開発に携わっていることを明かしたのですが、それと同時に中国の最新の原子力潜水艦は「音がほとんど出ない革新的な推進システム」であるシャフトレスリム駆動ポンプジェットを搭載していることも明かしています。なお、この画期的な推進システムが最新の船に搭載される場合、建造中の「Type 095」と呼ばれる潜水艦に搭載される可能性が高いとのこと。



リム駆動型のポンプジェットは、従来の推進システムよりも可動部分の数が少なくなるため、ポンプジェットによる騒音を低減することが可能になります。また、リム駆動型のポンプジェットは従来の推進システムよりもコンパクトなため、貴重な船内スペースの節約にもつながるとのこと。民間のメーカーからもリム駆動のポンプジェットは販売されており、プロペラの動きによって形成される気泡「キャビテーション」が少なくなる、より静かな推進システムとして知られています。

以下のスラスターはSchottel製のリム駆動スラスターですが、中国の潜水艦が搭載するのはこれよりもはるかに巨大なサイズのものになると思われます。



また、放送されたCCTV 13による馬偉軍司令官へのインタビュー映像では、背景に統合電気推進システム(IEPS)の一部とみられる電気機器が映り込んでいます。



IEPSは、エンジンとリアクターの出力でプロペラシャフトを回転させる従来の推進システムとは異なり、推進と船内サービス用の電源をすべてまとめたものを指します。IEPSは高い電気出力が可能であり、可動部品が少ないため従来のシステムよりもはるかに静音になるとのこと。また、Type 095に採用されたリム駆動型のポンプジェットとIEPSを組み合わせれば、静音特性は最大化され、よりレッド・オクトーバーに近い理想の潜水艦に近づくとのことです。

なお、CCTV 13が放送した馬偉軍司令官とのインタビュー映像は以下のムービーで見ることもできます。

《焦点访谈》 20170530 科技强国的追梦人 - 马伟明 - YouTube