画像提供:マイナビニュース

写真拡大

Internet Explorerに代わるWebブラウザとして、Microsoft Edgeが重要な地位にあるのは誰の目にも明らかだが、ライバルであるMozilla FirefoxやGoogle Chromeのシェアを脅かす存在とはまだ言い難い。Microsoftは拡張を重ねたInternet Explorerを破棄し、Windows 10のリリースに合わせてゼロからMicrosoft Edgeを構築してきたが、キーボードのみで操作可能にするアクセラレータキーはなく、メジャーな拡張機能もストアに並ばず、物足りない印象を受ける。それでもMicrosoft Edgeの改良は続いている。

5月に開催されたBuild 2017では、レンダリングエンジンであるEdgeHTML 15における応答速度の向上、コンテンツ表示の効率性改善、バッテリー消費量の軽減、Web APIの実装など多くの改良が加わったと説明した。その応答速度に関する詳細説明を行ったのが、6月1日に掲載された公式ブログの記事だ。

Microsoft Edgeの開発陣は「Webの相互作用的が高まるにつれ、JavaScriptへの依存度が高まっている。EdgeHTML 15は効率性向上を目的に、スマートスケジューリングメカニズムを採用した」と説明。Windows 10 バージョン1703 (Creators Update) とEdgeHTML 15の組み合わせで、応答性やパフォーマンスが大幅に向上するとアピールした。こちらのデモサイトを例にMicrosoft Edgeの優位性を次のように説明する。

現在のWebページは表層下で多くの作業が行われている。それはWebページの表示を終えた後も一緒だ。W3Cが策定したEvent loopsに従ってタスク調整を行っている。さらに入力タスクはWebページのスクロールパフォーマンスに影響する複雑な部分だ。そのためEdgeHTML 15は、JavaScriptの作業をスケジューリングし、入力優先順位付けを行うことでアプリケーション本体の "応答なし" を回避。マウスホイールなどの入力デバイスによる滑らかさを実現している。また、リンクをクリックした際に発生するクリックイベントにも優先順位を付け、リンク先のWebページが素早く読み込まれる仕様も加わった。これらの改善が上図で示したパフォーマンスの改善に至っているのだろう。

その一例してMicrosoftは、2016年11月時点のMicrosoft Edge (入力優先順位は未実装) と、2017年3月のMicrosoft Edge (入力優先順位を実装) で収集した遠隔測定データの比較を公開している。下図はユーザーセッション単位でUIの応答性を示したものだが、300ミリ秒以下で完了する件数が増加したことがわかる。このようにMicrosoft Edgeは、複雑化したWebページを素早く的確に表示させる仕組みを次々と実装しているのだ。

以前から筆者はMicrosoft Edgeの応答性について不満を持っていた。そこにキーアサインや拡張機能の不足も相まって、他のWebブラウザとMicrosoft Edgeを併用している。だが、Microsoft EdgeとWindows 10の組み合わせによるバッテリセーブ機能や、今後普及するであろうPayment Request APIやWebVRなど魅力的な面も大きい。順当に進化するMicrosoft Edgeを標準Webブラウザとして選択できる日も近いだろう。

阿久津良和(Cactus)