中米ニカラグアの首都マナグアで、国際小児がんの日を記念して緑の風船を飛ばす小児がんの子どもたちとその家族(2011年2月19日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】がんの治験薬「ラロトレクチニブ(larotrectinib)」の臨床試験で、子どもと大人双方の患者のさまざまな種類のがんに対し期待が持てる結果が示されたと、米国で開かれたがんに関する大規模な学会で研究チームが明らかにした。

 米バイオ医薬品会社「ロクソ・オンコロジー(Loxo Oncology Inc.)」が開発したラロトレクチニブは、トロポミオシン受容体キナーゼ(TRK)融合タンパク質の選択的阻害薬。特に治療が困難なめずらしいがん──唾液腺がんや若年性乳がん、さらに乳児線維肉腫として知られる軟部組織がんなどによく見られる遺伝的異常を標的とする。

 米国臨床腫瘍学会(ASCO)の会合で発表された研究によれば、17種類のがんを対象に子どもと大人双方の患者にラロトレクチニブを投与したところ、76%に良好な反応が見られた。1年後の生存率は全体の79%。がんが寛解した人は12%だった。研究は現在も継続されている。

 論文の主執筆者で米ニューヨーク(New York)にあるスローン・ケタリング記念がんセンター(Memorial Sloan-Kettering Cancer Center)薬剤初期開発チーフのデービッド・ハイマン(David Hyman)氏は、「これらの結果によって、がんの発症場所とは関係なく、変異型を基に患者の治療を行うという精度の高いがん治療の将来性がさらに具体化された」と主張。

「TRK融合腫瘍がラロトレクチニブに劇的に反応することは、進行がん患者に対してこうした異常の有無を調べる際に広範囲にわたって行われる遺伝子検査の裏付けにもなると考えている」と続けた。

 米食品医薬品局(FDA)は現時点で、同治療薬の広範な使用を認可していない。
【翻訳編集】AFPBB News