私が初めて中国に出張した事は「第4回中国事情」でお話した通りですが、以前自動車メーカーにいた事もあって、中国で走る車に興味シンシンでした。中国の道路はどうなっているのか、運転の仕方はどうなのか、制限速度はどうなのかなど。上海の景色よりも車ばっかり見ていました。コンサルタントとして失格かもしれませんね。そこで感じた事を書き残しておきたいと思います。

【前回は】【第4回】中国事情

1.制限速度

 空港からホテルまでの高速道路には制限速度の看板がありませんでした。見落としているだけかもしれません。そのためかどうかは分かりませんが、タクシーは約160km/hの速度で走っていました。しかし、制限速度がある高速道路では皆さん制限速度を基本的に守っています。たしか、制限速度は120km/hだったと思います。「ルールがあれば、必ず守る。」という国民性を感じました。

2.路面状態

 正直驚きました。大阪の阪神高速より路面状態が良く綺麗です。万博が開催された影響もあると思いますが。しかし、田舎に行くと整備どころかセンターラインもない状態。信号も古ぼけています。中国全土で見るとまだまだ全ての地域が整備されているとは言えない状況ですね。

3.運転の仕方

 これも驚きました。なぜかというと、タクシーは全てマニュアルでした。運転の仕方と関係ないと思われる方が多いと思いますが、ここからが重要です。マニュアルでは人間が操作する分、開発する側としては色々な操作を想定していなければいけません。ここが非常に難しい。タクシーの運転手さんの一定の法則を見つけました。発進する時は1速(or2速)だが、速度がほとんど上がらないのに4速ぐらいまですぐにシフトアップする。そのため、非常に低回転の状態で走り続けます。排気量の小さい車だとトルクがなく、"ごとごと"いっています。次に速度を上げて走っていて、渋滞などで速度が落ちてきても、なかなかシフトダウンしない。たぶん、クラッチを切っていたと思います。などなど、基本的にはシフトチェンジをできるだけしないような運転の仕方だと思いました。もしかすると一般の方はそうではないかもしれませんが。

 いかがでしょうか。現地に数日行っただけでも、これだけの市場分析ができたという事になります。この体験は必ず開発する人間としては必要だと思います。「現地現物」私が自動車メーカーで1番最初に教わった言葉です。まさにこの通りだと思いますね。自分で見て、感じて、考えて、その国のお客様にあった製品を開発する。重要な事だと思います。

執筆者プロフィール

中山 聡史 (なかやま・さとし)
株式会社A&Mコンサルト 取締役 経営コンサルタント
http://www.a-and-m.biz
2003年、関西大学 工学部機械システム工学科卒。同年、大手自動車会社に入社。全てのエンジンならびにエンジンシステムの設計・開発・品質管理・環境対応業務等に従事。2011年、株式会社A&Mコンサルトに入社。「モノ造りのQCDの80%は設計で決まる!」の理念のもと、自動車会社での設計〜開発〜製造、並びに品質保証などの経験を活かし、多くのモノづくり企業で、戦略構築、仕組改革、組織風土改革のトライアングル視点で企業の体質強化を図っている。