――原油価格が弱含みですが、6月の豪ドル円は?

 資源価格に敏感と言われるオーストラリア経済は、雇用がまちまちの状態です。中央銀行に当たるオーストラリア準備銀行(RBA)は、現在の過去最低の金利1.5%を今後どうするのか注目されているものの、とりあえずは利上げも、利下げもなさそうです。

 6月6日の「金融政策委員会」の結果次第ですが、大きな動きはないと考えられ、豪ドル円の予想レンジは、1豪ドル=81円-84円と見ています。

――最近「ビットコイン」の急騰が注目されていますが、為替市場への影響は?

 5月のビットコインの価格変動は、非常に大きなものでした。その間、為替市場はあまり大きな動きがなく、ビットコイン相場のボラティリティの大きさが目立ちました。とはいえ、ビットコイン相場はハイリスクハイリターンの典型的なマーケットであることを認識しておく必要があると思います。

 6月相場のポイントは、大きく分けて3つ。ひとつは選挙などに左右されるユーロや英国ポンドの動きです。特にユーロは、ECB理事会での発言に注目したいところです。第2には、米国の政策金利引上げの有無です。市場はすでに引き上げを織り込んでいるものの、米国経済の動向には要注意です。

 第3は、やはり安倍内閣の行方でしょうか。森友学園、加計学園といった追及に対して、為替相場にも影響を与えるインパクトのあるものが出てこないか、ウォッチし続けることが重要です。(文責:モーニングスター)