5月にはメタンハイドレートがもっとも注目されるキーワードになった。資料写真。

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5月にはメタンハイドレートがもっとも注目されるキーワードになった。メタンハイドレートは1960年代の発見以来、一貫して巨大な潜在的価値をもつものとみなされてきた。多くの国々が研究に力を入れるが、諸々の原因により、大規模な開発採掘はいまだに行われていない。そんな折り、中国が試験採掘に成功したとのニュースが海外メディアをにぎわしている。メディアは、この「巨大な進歩」により、世界は初めてメタンハイドレートに希望を見いだすことができたと相次いで報じた。人民日報海外版が伝えた。

▽「巨大な進歩」を実現

英BBC放送は専門家の話として「これまでの日本での研究成果に比べ、中国の科学者はより多くの天然ガスの採掘に成功した。こうした意味でも、中国は確かにメタンハイドレート採掘の巨大な進歩を実現したといえる」と報じた。

中国は石炭は豊富にあるが、石油は乏しく、天然ガスはわずかな国で、石油の輸入依存度は高い。税関総署がまとめたデータをみると、今年3月の原油輸入量は一日あたり920万バレルに迫る記録的高水準となり、予想を大幅に上回った。米国を超える数字で、中国は世界一の原油輸入国になった。ドイツ紙「南ドイツ新聞」のサイトは、「中国にとって、天然ガスハイドレート開発には重要な戦略的意義がある」と指摘する。

▽次なる「シェールガス革命」

米放送局CNNは、「専門家は、エネルギー産業にとって、メタンハイドレートの戦略的意義は重大であり、その重要性は米国のシェールガス革命に比肩するとの見方で一致する」と報じ、BBCは専門家の話として、「少な目に見積もっても、メタンハイドレートに含まれる天然ガスの量はシェールガスの10倍になる」と伝えた。

おまけにメタンハイドレートは埋蔵量が膨大で、地球上の大洋の海底、陸地の凍土層、極地の凍土層などに幅広く分布する。米国の海事専門誌が伝えたアメリカ地質調査所の予測では、世界のメタンハイドレートにはおよそ280兆立法メートルから2800兆立法メートルのメタンが含まれる。つまり現在の消費ペースに基づいて計算すると、メタンハイドレートの埋蔵量は今後80〜800年の世界の天然ガス需要を満たせるということだ。「南ドイツ新聞」は、「2015年の世界の天然ガス採掘量は約35億立方メートルで、天然ガスハイドレートの埋蔵量の1‰にも満たない」と伝える。

中国だけでなく、米国、日本、インド、韓国、カナダもメタンハイドレートの採掘研究プロジェクトを実施する。今年5月はさながらメタンハイドレート「ブレーク月」で、中国が南中国海での試験採掘に成功したほか、米国と日本も採掘に関する発表を行った。

米専門誌の報道では、米エネルギー省傘下のエネルギー技術研究所が発表したところによると、テキサス大学オースティン校などの機関の協力により、5月にメキシコ湾の大水深エリアでメタンハイドレートの採掘研究がスタートし、11日には1回目のボーリング作業を行ったという。実際、米国はメタンハイドレートの研究を非常に重視しており、00年には「メタンハイドレート研究開発法」を可決している。その後、同省はメタンハイドレート研究を支援するための支出をたびたび計上している。

日本は早くからメタンハイドレート採掘を行ってきた国の1つだ。ロイター社の報道では、日本の経済産業省資源エネルギー庁は先日、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構が日本近海の海底に埋蔵されていたメタンハイドレートからメタンを取り出すことに成功したと発表した。このたび試験採掘を行った海域は愛知県と三重県に近い太平洋近海で、この海域には日本の年間天然ガス消費量の約10倍にあたる1兆1000億立方メートルのメタンハイドレートが埋蔵されていると予想される。