ここで気になるのは、運動に関して、どのようなことをすればいいのかだ。いまさら、学生時代の部活並みのキツい運動は避けたいのは当然の話。
 この運動では、通勤時や移動時に、少し息が上がる程度で歩き、1日を通し合計30〜40分、望ましくは60分ほど歩くといいという。加えて、週に1時間ほどの運動を生活習慣に取り入れるのも大切。厚生労働省「健康づくりのための身体活動基準2013」によれば、運動とは、「息が弾み汗をかく程度の運動」を指し、ウオーキングやゴルフなどがこれに当てはまる。

 また、近頃注目を集める方法に「マインドフルネス瞑想」がある。呼吸を強く意識するものだが、自律神経にいい影響はあるのか。
 「自律神経を本人はコントロールできないとお話ししましたが、自律神経の影響を受けているものの中で、呼吸だけは意志でもコントロールできます。言うなれば、呼吸は自律神経と本人の意志の接点とも言えます」(同)

 そこで、最新の精神医学であるマインドフルネスを実践する、東京マインドフルネスセンターセンター長で、監修した『マインドフルネス瞑想の基本』(エイ出版)が好評な長谷川洋介氏に話を聞いた。
 「マインドフルネスとは、元々パーリ語の“サティ”の英訳で、日本語では“念”や“気づき”を表します。ですから、その時々の自身の状況などに客観的に気づくことが重要です。そうすれば、ストレスを解放する方向へ向けられます」

 瞑想となると敷居が高いようにも感じるが、長谷川氏は日常生活に取り入れやすい方法をこう語ってくれた。
 「何も瞑想をしなくても、マインドフルネスは始められます。本来の目的は“気づき”ですから、生活している中で“気持ちがザワザワしているな”と気づいたら、いったん立ち止まり『呼吸は速いか? 遅いか?』、『気持ちはどうなっているか?』と、自分自身を客観的に観察してあげます。そして落ち着いたら、次の行動に移ります。気づいた時に、それを何度も行うことで心が調律され、自律神経が整う方向へ向かうのではないでしょうか」(同)

 確かに考えてみれば、夜は寝て、朝は光を浴びて、しっかりと日中に体を動かすという生活習慣は、人間本来に備わっている自然なリズムなのかもしれない。
 現代の目覚ましいスピードで動く社会の中、自律神経の乱れは、改めて人間が自然の生き物であることを痛感させてくれる。