SLIDE SHOW FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN FULL SCREEN 「「お守り」としてのライフルと、武装する人々の声──ウクライナ」の写真・リンク付きの記事はこちら

2/10「すべての人は最低でも車の運転と銃の扱いくらいは学んでおくべきです。銃の撃ち方がわかっていれば、攻撃されたときに犯罪者を止められる。殺す必要はありませんが、犯罪者を止めなければならない。自分の身の安全についてはあまり考えていませんが、4人の子どもと妻を守ることを本当に考えているのです」(ルボミール、42歳、金融専門家。家族を守るため2014年に購入したライフルを構え、家族とともにキエフのアパートにて)PHOTOGRAPH BY ANDREY LOMAKIN

3/10「女性が犯罪に対抗するのは困難です。だから、わたしの家にはショットガンがある。ほとんどすべての家庭が銃を所持していて、人々が銃の扱い方を心得ているという、アメリカやスイスのシステムをわたしは支持します。自分の家だけでなく自国を守る準備はできていますし、家族に脅威が及んだり他国から軍事侵攻を受けた際は、武器を使うつもりです。法の不備や不在がわたしを止めることはないのです」(エカテリーナ、35歳、ジャーナリスト。2014年に護身のために購入したライフルとともに、キエフの自宅にて)PHOTOGRAPH BY ANDREY LOMAKIN

4/10「銃規制に関する十分な法律が通ることで、犯罪の数は劇的に減ると思ってます。どんな犯罪者も、武装しているかもしれない人を襲うときは考え直すでしょうから。お菓子でパンパンの箱の中に、ひとつだけ毒入りのものが入っているようなものです。あえてそれを食べようとする人はいないでしょう」(マキシム、31歳、海上運送の専門家。2013年に購入したライフルとともにキエフのアパートにて)PHOTOGRAPH BY ANDREY LOMAKIN

5/10「アパートが守られているというとき、ドアに鍵がかかっていて護身のためのショットガンをもっているのは普通のことだと思います。いまや、新たな警察を信頼しているといえるんです。わたしインストラクターとして人々に応急手当の方法や怪我をした際に止血する方法を教えています。応急処置をしたら医者を呼ぶだけ。それは警察に関しても同じです。まずは自分で自分の身を守らなければいけない。警察を呼ぶのはその次のステップです。だから、わたしは護身のために武器を使えるようにしています。武器を使えば牢屋に入れられてしまいますけどね。武器に関する法律に関しては、合法的な使用が何なのかということが最も重要です」(アナスタシア、22歳、人命救助のインストラクター。2015年11月に購入したショットガンとともに、彼女のアパートにて)PHOTOGRAPH BY ANDREY LOMAKIN

6/10「わたしの趣味は狩りです。しかし、間違いなく家族を守るためにもショットガンを使うでしょう。あくまでも法の範囲内で、ですが。法律のことはわかっているし、自分がやることに関してはすべて自分に責任があると理解しています」(アレクサンダー、39歳、格付け会社の共同経営者。2010年に狩猟のために購入したライフルとともに、キエフのアパートにて)PHOTOGRAPH BY ANDREY LOMAKIN

7/10「銃が家にあることで、安全が保証されるんです。だから、わたしは家長として家族の安全を確保しなければいけない。何かあったとき、いい警察でさえ現場に駆けつけるのに5分はかかります。武器があれば、少なくとも警察が来るまで自分を守れます。ロシアの軍事侵攻が始まったときに銃を買いました。わたしの街で戦闘が始まったら、逃げられないでしょうから」(ディミトリ、33歳、化学エンジニア。2014年に購入したライフルとともに、彼のアパートにて)PHOTOGRAPH BY ANDREY LOMAKIN

8/10「平常時は銃が護身の手段だなんて思ってません。でも、いまや軍事活動が起きる場所がドンバスからキエフに変わる可能性があります。そうなった場合に備えているのです」(タラス、36歳、弁護士。ライフルとともに、彼のアパートにて)PHOTOGRAPH BY ANDREY LOMAKIN

9/10「この銃はオレンジ革命のときに購入しました。そのころはいまと同じくらい物騒な時期でした。銃があると、子どもと散歩するときや、特に夫がいないときに安心できるんです。幸いにも、一度も銃を使ったことありませんけどね」(タチアナ、39歳、警察官。2003年に子どもを守るために購入した銃とともに、彼女のアパートにて)PHOTOGRAPH BY ANDREY LOMAKIN

10/10「わたしはドネツィク出身です。そこでは、2014年の春に、武器がなければやっていけないということが明らかになったんです。ライフルを買った一週間後、わたしが友人と一緒に住んでいる家は武装した人々に襲われました。わたしは撃たなければいけなかった。おそらく、そのおかげで命が助かったのですから」(アレクセイ、29歳、ビジネスマン。2014年4月に購入したライフルとともに、彼のアパートにて)PHOTOGRAPH BY ANDREY LOMAKIN

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ウクライナの人々にとって、銃は身近なものであるらしい。

ウクライナ・キエフ出身の写真家、アンドレ・ロマキンは、自身のプロジェクト『Amulet』を通じて、ウクライナの人々と銃の関わりを描き出している。ロマキンがこのプロジェクトを開始したのは2014年のこと。「当時クリミアはすでにロシアに併合されていて、ドンバスで内戦が起きていました。人々は政府も警察も信用しておらず、自分の身は自分で守らねばならなかったのです」とロマキンは語る。

「わたしの友人も銃を購入していました。同じように銃を買う人は日に日に増えていきました。狩猟用の銃が店から姿を消してしまったんです」。このプロジェクトを開始したときのことを振り返り、ロマキンはそう語る。ウクライナでは、護身のための銃所持は規制されているものの、狩猟用のショットガンやライフルは購入できる。人々はそれらを購入し、護身用として家に置いておくのだという。

「異常な状態におかれている人々の日常生活を描きたかったんです。銃を抱えた人々の姿は非常に危険に見えますが、それは彼らが身の安全を保証されていないことの証でもあります。プログラマーやエンジニア、弁護士など、彼らは普通の人々で、普通のアパートに住んでいる。彼らはまさか自分が銃を所持することになるなんて、考えてもいなかったはずです」とロマキンは語る。ソファに座っていたり、キッチンに佇んでいたり、子どもに囲まれていたり。ロマキンが撮影する人々は、何の変哲もない普通の人々だ。ただひとつ、大きなライフルやショットガンを抱えていることを除けば。

プロジェクト名に冠された単語が意味するように、ウクライナの人々にとって銃とは武器というより、自分の身の安全を保証してくれる「お守り(Amulet)」なのだろう。大切そうに銃を抱える人々の言葉からは、銃が放つ物々しい雰囲気に反して、いつ襲われるかわからない恐怖に身を晒され続ける不安が伝わってくる。