RADWIMPS、ソー奏者 サキタハヂメ…ドラマ『フランケンシュタインの恋』でUruの声はなぜ輝く?

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 バラエティ豊かなラインナップの今期のドラマの中でも話題となっているのが、綾野剛、二階堂ふみ、柳楽優弥ら豪華キャストが揃うドラマ『フランケンシュタインの恋』(日本テレビ系)だ。綾野演じる不老不死の怪物・深志研と二階堂演じる病弱な女性・津軽継実の恋を描いた、不思議ながらもピュアなストーリーが注目を集めている。他に類を見ない“怪物との恋”を描く物語はもちろんだが、特筆すべきは同作を彩る音楽だろう。

 主題歌は、<僕は人間じゃないんです>というストレートな歌詞が印象的なRADWIMPSの「棒人間」。書き下ろし曲ではないものの、野田洋次郎(Vo/Gt)の切実なボーカルと優しいピアノの音色がドラマで描かれる切ない恋模様とマッチし、120歳という設定の怪物・深志研の目線で歌われているように感じる。

 また、ドラマのサウンドを手がけるのはソー奏者(鋸奏者)・サキタハヂメ。彼の作る幻想的でどこかノスタルジックなサウンドは、童話のような雰囲気もあるドラマとぴったりだ。BGMはもちろん、物語中で登場するラジオ番組のテーマ曲「あまくさソング」の作曲も同氏が担当。思わず口ずさみたくなる「あまくさソング」は、反響を受けて急遽YouTubeでの公開をスタートした。

 そしてドラマを盛り上げる挿入歌が、Uruの「しあわせの詩」だ。彼女は2013年にYouTubeチャンネルを立ち上げて以降、ほとんど素顔を見せずに活動してきた。そのミステリアスな雰囲気と透き通った歌声でメジャーデビュー前から人気を集め、デビュー時にはYouTubeチャンネルの登録者数が14万人以上だったほどだ。

 有村架純主演映画『夏美のホタル』主題歌に抜擢された「星の中の君」でデビュー後、Uruは限られた本数でのみライブを開催。初のワンマン公演を品川グローリアチャペルで行なった際には、ドレープ状の幕を重ねたステージなど、歌声に加えて幻想的な演出が注目を集めた。また3rdシングル曲「フリージア」でアニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』(TBS系)のエンディングテーマを、同じく3rdシングル収録曲「娘より」では新春ドラマ特別企画『しあわせの記憶』(TBS系)を担当。作品に華を添えるような歌声と楽曲で、より広い層にその名を広めている。

 そんなUruの4thシングル表題曲である「しあわせの詩」は澄んだ歌声と温かみのあるサウンドが相まって、彼女の魅力が凝縮された良曲だ。デビュー前からYouTubeチャンネル上に「ひこうき雲」(荒井由実)、「I LOVE YOU」(尾崎豊)、「糸」(中島みゆき)などの歴代の名曲や、「新宝島」(サカナクション)、「Dragon Night」(SEKAI NO OWARI)といったロックバンドのヒット曲まで、数々のカバー動画をアップロードし、国境も世代も超えて多くのリスナーに支持を受けてきたUru。聴く者を包み込むような繊細な彼女の歌声は、ドラマの中でもひときわ存在感を放っていると言っても過言ではない。ドラマ中、同楽曲は深志研と津軽継美が心を通わせる場面などで流れ、怪物と人間という垣根を超えた普遍的な“しあわせ”を映したシーンを盛り上げる役割を果たしている。

 初めてのドラマ挿入歌で作品のために書き下ろした「しあわせの詩」についてUruは、「住む場所があって、食べるものがあって、時には誰かに恋をしたり、すぐそばにある幸せを感じてもらえるような曲になったら嬉しいです」とコメント。その言葉通り、<誰かの言葉が温かくて/あなたの笑顔が温かくて/一つ一つ喜びが積もっていく/これが一番の幸せ>という歌詞は、純朴で嘘をつけない深志研が、心優しい津軽継美や彼を雇う箱庭工務店の真っ直ぐな人々と過ごす、何気なくもかけがえのない“しあわせ”な時間を歌っているようだ。

 綾野剛が「わたしにとって『しあわせの詩』は愛おしい以外のなにものでもない。心を照らす詩です」とコメントを寄せたように、「しあわせの詩」は静かに優しく希望を映し出した楽曲だ。“怪物”との純愛を真っ直ぐに描くドラマとの相性も良いと言えるだろう。作品に寄り添うような柔らかいUruの歌声は、ドラマをきっかけにさらに幅広いリスナーから愛されるはずだ。

(文=村上夏菜)