中国メディアが「安倍首相は中国との関係改善を余儀なくされるだろう」と相次いで報じている。米国のトランプ大統領の登場で日米間に変化が生じ、日本は対米関係への不安を強めている、との見立てだ。写真は中国楊潔チ国務委員が日本の政府要人と会談。

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2017年6月3日、安倍晋三首相は中国との関係改善を余儀なくされるだろう―。中国の外交トップ・楊潔チ国務委員の日本訪問に関連して中国メディアが相次いでこう報じている。米国のトランプ大統領の登場で日米間に変化が生じ、日本は対米関係への不安を強めている、との見立てだ。

楊氏は5月末の訪日で安倍首相をはじめ、岸田文雄外相、菅義偉官房長官らと会談。7月初旬にドイツ・ハンブルクで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会議に合わせて、安倍首相と中国の習近平国家主席の会談を開催するための環境整備を進めた。

中国網は楊氏の訪日に触れて、「対中関係改善、日本の誠意は本物か?」との記事を掲載。「中日関係は本当に改善するだろうか?現時点では、数年前ならば目にできなかった条件が備わっている。最大の変化は中日関係以外の国際関係にある」とした。

この中では「トランプ大統領の新たな外交の姿勢を挙げることができる。トランプ大統領は日本が『中国孤立化』の重要行動とする環太平洋連携協定(TPP)から離脱し、日本経済の『出血サービス』を求めるため安全保障を利用している」と指摘。「これにより日本は米日関係への不安を強めている」とみている。

中国網は「南シナ海問題でも重大な変化があった。フィリピンとベトナムは中国との関係回復に取り組んでいる」「文在寅氏の韓国大統領当選は、韓国の中国への態度をある程度変えた」とも言及。「このような変化の速さは、東アジアの地政学的関係の変化に関する多くの人の予想を上回った。中国と外交の対抗を続ける日本の孤立が深まった」としている。

その上で「安倍首相の対中政策の方針が袋小路に入り、戦略的に全く前途がないことは明らかだ」と強調。「安倍首相は中国との関係改善を余儀なくされるだろう」として、「安倍政権が中日関係を『手段』として扱うのではなく、『道』「として歩むことを願う。そうなれば、中日関係には軌道に戻る強い力が備わる」と呼び掛けている。

また、参考消息網は香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」の報道を引用。「自国を第一に考えたトランプ大統領の政策により、日本はアジアに目を向け始め、とりわけ中国に注目している。これは賢明な判断で、中国との関係を強化することで日本はアジアにおける政策や投資分野での影響力、投資のチャンス、世界規模での日本の重要性を高めるといったメリットがある」と、日本に中国との関係改善を促している。

さらに、中国共産党中央委員会機関紙・人民日報系の環球時報は社説で国際情勢の変化で「安倍首相の対中構想は大方行き詰まりを迎え、中国との関係改善に踏み出さなければならなくなった」と分析。「日本政府は従来のいわゆる『価値観同盟』の考え方を根本から捨て、中日関係を真の戦略的互恵関係へと向かわせるべきだ」などと論じている。(編集/日向)