国際社会の厳しい制裁を受けている北朝鮮。制裁対象となっていない様々なアイテムを合法、非合法に輸出して苦境を乗り切ろうとしている。今年の人気アイテムは食用の「葦(アシ)」だ。平安北道(ピョンアンブクト)のデイリーNK内部情報筋が詳細を伝えた。

中朝国境を流れる鴨緑江の河原には広大なアシの畑が広がっているが、新義州(シニジュ)の町からやって来た人々は、朝から晩までアシを刈り取る作業にいそしむ。

刈り取ったものは貿易会社が買い取り、中国に輸出する。

情報筋によると、アシの輸出は去年も行われていたが、今年に入ってからはその量が増えた。華南地方にも販路を開拓した中国の貿易会社から、より多くの注文が入っているからだ。

一連の作業には、国境警備隊の協力が欠かせない。アシ畑は国が造成したものであるため立ち入り禁止となっているが、国境警備隊は1人あたり100元(約1640円)のワイロを受け取って、1ヶ月間のフリーパスを出すという。

アシの買取価格は1キロ0.6元(約10円)。朝から晩まで懸命に刈れば20キロになり、コメを3キロ買える金額になるはずだが、国境警備隊へのワイロを払えば手元にはわずかしか残らない。

ちなみに川向こうの中国・丹東の市場では1キロ2元(約33円)で売られている。食べるのは葉ではなく茎で、かつては飢饉のときの非常食だったが、今では健康食品として人気が急上昇中だ。

参考価格だが、中国最大手のネットショッピングサイト、タオバオでは2キロ25元(約409円)前後で売られている。

咸鏡北道(ハムギョンブクト)では、ヨロイグサという薬草や、大麻を中国に輸出するなど、様々な草の輸出で制裁を乗り切ろうとしている。まさに「溺れる者は藁をも掴む」と言ったところだろうか。

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