梅雨どきもアロマで快適に。日本で、イタリアで活躍するアロマ調香デザイナー・齋藤智子さんインタビュー

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最近、ホテルやイベントスペース、ショップなど、アロマオイルの香りが漂う場所が増えています。こうした、香りで心地よい空間を演出しているのが「アロマ調香デザイナー」です。4月に紹介した清澄白河「リカシツ」のワークショップで講師を務めた齋藤智子さんは、じつはアロマ調香デザイナーとして幅広く活躍しています。今回は、香りで空間をデザインするという仕事のことや、和精油を使った梅雨時をすがすがしく過ごすためのカビ対策や安眠につながるアロマの使い方などを伺いました。
ミラノでも大好評! 空間に合わせた香りづくり
――齋藤さんがされている、「アロマ調香デザイナー」というお仕事について教えてください。
まず、個人のお客様向けとして、天然のアロマオイルを使い、お客様の希望や好みに合った香水やルームフレグランスを作る仕事をしています。それから、企業からの依頼で、空間のイメージに合わせてオイルをブレンドし、香りを作るという仕事も多いです。これまでには、サロンやクリニック、ショールームでのイベント、コンサートのグッズ販売をしているエリアなど、さまざまな場所の香りを手がけてきました。
サロンやクリニックだと患者さんの心がリラックスするような感じに、ショールームのときは、女性向けのイベントだったので女性が好むようなものに仕上げ、コンサートのグッズ販売エリアでは、並んで待っている人たちの気持ちが盛り上がるような香りを作りました。
――アロマと聞くと、まずは「癒し」を思い浮かべがちですが、齋藤さんのお仕事では目的に応じていろいろなことが求められますね。
そうですね。今年4月に、世界最大規模のインテリア国際見本市「ミラノサローネ」で、パナソニックのブースで使用する香炉の香りを担当したんです。日本のエレクトロニクスと伝統工芸を融合したインスタレーションで、ヒノキや柚子、松、ビャクダンといった植物のアロマオイル・和精油をベースに6種類作りました。
――大変そうですが、やりがいも大きかったでしょうね。
私もミラノの会場に行って、いろいろな国の方とお会いしましたが、「いい香りですね」と言っていただいたり、興味をもって話を聞かれたりしたときは、本当にうれしかったです。
イメージを言葉にし、香りに変換するには?
――齋藤さんがこの仕事を始めたきっかけは何だったんですか?
5年ほど前にフレグランスコンテストに入賞したことです。もともとアロマセラピーについては学校で勉強していたんですが、このコンテストで評価されたことが自信になり、楽しさも感じていたので、香りの道を極めたいと思ったんです。
じつは私にとって、香りは幼いころから身近な存在でした。父が京都の生まれで、私も祖父母が住む実家によく行っていたのですが、お寺からいつもお香のいい香りが漂っていたのを覚えています。自然と私もその匂いが好きになり、自分の家にもお香を取り入れたりしていました。その後、さまざまな経験をし、アロマという香りの世界で仕事をするようになったのは、小さいころの経験とつながっているように思います。
――ミラノサローネで和精油を使ったことも、そういう思い出と関連がありそうですね。
はい。日本人であるという想いも込めて、ベースを和精油にしました。それから、香炉を手がけたのが、京都で伝統工芸から新しいものを生み出そうとする方たちだったので、その点でも過去とのつながりを感じ、とても思い入れのある仕事になりました。
――ところで、空間に合わせた香りのブレンドは、どんな風に考えるのか教えていただけますか。
希望を伺ったあと、それを言葉にしてみるんです。たとえば「森にいるような香り」なら、森の風景を思い浮かべてみて木々の緑や、湿った土があるなあ......と思う。そして、それを香りに置き換えて考え、透明感のあるユーカリや土の香りがするパチュリなどを使おうということになるわけです。