張本智和【写真:Getty Images】

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世界選手権男子単4回戦、世界156位に完勝で準々進出、大会史上最年少メダルにあと1勝

 卓球の世界選手権(デュッセルドルフ)は3日、男子シングルス4回戦で史上最年少で日本代表に選ばれた13歳の怪物・張本智和(エリートアカデミー)が世界ランキング156位のルボミール・ピシュティ(スロバキア)に4-1で完勝。準々決勝進出を決め、メダル獲得に王手をかけた。国際卓球連盟(ITTF)によると、13歳の8強進出は大会史上最年少。4日の準々決勝に勝てば、同最年少の銅メダル以上が確定する。

 この強さ、この雄たけび。13歳の勢いは、とどまることを知らない。快進撃を続ける張本が、ついにメダルに王手をかけた。

 またも圧勝だった。第1ゲーム、序盤はリードされながらポイントを上げるたびに「チョレイ!」を絶叫。徐々にリズムを取り戻すと、デュースの末に12-10で先取した。勢いに乗った張本は一気に畳みかけ、第2ゲームを11-8、第3ゲームを11-9で連取。第4ゲームこそ9-11で落としたが、最終ゲームを11-9でつかみ取った。勝利の瞬間、コーチの元に駆け出した張本は再三、ガッツポーズを繰り出し、歓喜の瞬間に酔いしれた。

 13歳11か月で日の丸を背負った今大会。男女を通じて最年少で世界選手権の舞台に立つと、シンデレラストーリーが幕を開けた。

 1回戦をストレートで快勝。最年少1勝をつかむと、2回戦で日本のエース・水谷隼から大金星を挙げ、世界中に衝撃を与えた。ファンの間では「アメージングな才能だ」と驚嘆され、3回戦も再びストレートで圧倒。国際卓球連盟は「優勝候補だ」と一躍V候補に挙げ、さらに注目が集まっていた4回戦も難なく突破。ここまで落としたゲームはわずか「2」という圧倒ぶりで、世界のトップ8に名を連ねた。

 3位決定戦が行われないため、準決勝を勝てば、表彰台が確定。ITTFによると、16強の時点で大会史上最年少となるため、メダル獲得となれば、大会史上最年少だ。勝ち続けることに記録がついて回る13歳。世界の卓球界にとっても歴史的な偉業に、ついにあと1勝に迫った。