中東エルサレムのホロコースト追悼記念館「ヤド・バシェム」を訪れ、ドナルド・トランプ大統領(フレーム外)のスピーチを聞くイヴァンカ・トランプ氏(前列左)と夫のジャレッド・クシュナー氏(右、2017年5月23日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領がホワイトハウス(White House)のローズガーデン(Rose Garden)で地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定(Paris Agreement)」離脱を表明した際、拍手が湧き起こった。だが一方で、その輪に加わらなかった重要人物も何人かいる。

 パリ協定に参加していないのは世界でシリアとニカラグアだけ。これら2国に米国も続こうというトランプ大統領の決定に、ホワイトハウス内部の亀裂は個人的にも政治的にもさらに深まったように思われる。今回の問題に関するトランプ氏側近のそれぞれの立場を以下にまとめた。

<残留派?>

■イヴァンカ・トランプ大統領補佐官

 トランプ氏が1日にホワイトハウスでパリ協定離脱を発表した際、長女で大統領補佐官のイヴァンカ・トランプ(Ivanka Trump)氏の姿はどこにも見えなかった。イヴァンカ氏がこうした場面に立ち会わないのは異例のことだ。

 環境活動家の間では、イヴァンカ氏が父親に対して人為的原因による気候変動と将来想定される壊滅的な影響という差し迫った問題の理解を促すパイプ役になるのではと期待する見方もあった。イヴァンカ氏は今年4月のインタビューで、父親と意見が対立しても引き下がらないとの考えを明らかにしていた。

 トランプ氏がパリ協定離脱を表明した翌日、多くのアナリストはイヴァンカ氏の父親への影響力に疑問を呈した。

■クシュナー大統領上級顧問

 イヴァンカ氏の夫、ジャレッド・クシュナー(Jared Kushner)大統領上級顧問もローズガーデンに姿を現さなかった。その前からもクシュナー氏がトランプ大統領の右腕としてどれほどの影響力を持っているのか疑問視する向きも多かった。

 クシュナー氏は温暖化に関する姿勢を公に示すことがめったにないため、この問題でどのような立場を取っているのか明確ではない。

■ティラーソン米国務長官

 米石油大手エクソンモービル(ExxonMobil)前最高経営責任者(CEO)のレックス・ティラーソン(Rex Tillerson)米国務長官もあの場にいなかった一人だ。ティラーソン国務長官は、多くの財界リーダーと同じく、パリ協定残留を支持していたとされる。

 トランプ氏の発表翌日は見るからに落ち着かない様子で、パリ協定から離脱しようがしまいが、米国は今後も炭素排出量削減に力を入れていくと述べた。

<離脱派の2人>

■バノン首席戦略官・上級顧問

 ローズガーデンで笑顔を見せていたのは、右派ニュースサイト「ブライトバート・ニュース(Breitbart News)」の元会長でトランプ氏の「アメリカ・ファースト(米国第一)」主義の立役者、スティーブ・バノン(Steve Bannon)首席戦略官・上級顧問だ。気候変動に懐疑的なバノン氏は、トランプ大統領にパリ協定離脱を訴えてきた。

■プルイット環境保護局長官

 トランプ氏が発表を終えた後、ローズガーデンの演壇に立ったスコット・プルイット(Scott Pruitt)環境保護局(EPA)長官は、パリ協定離脱は大統領の「米国民を最優先する果敢な取り組み」の表れだとコメント。トランプ氏には「米国民に奉仕し、国民を導く、不屈の精神と勇気、信念の強さ」があると称賛した。
【翻訳編集】AFPBB News