【医師監修】生理中は痩せない? 生理周期に合わせたダイエット方法

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ダイエットをしていても、生理前や生理中はなかなか痩せにくいですよね。むしろ体重が増えて、困ってしまった女性もいるのではないでしょうか? そこで今回は、生理とダイエットの関係と、生理周期にあわせたダイエット方法を、産婦人科専門医の高橋しづこ先生に聞きました。

■生理前に太りやすいのはなぜ?

生理前の「黄体期」という期間は、水分を吸収しやすい「黄体ホルモン」が分泌されるため、体がむくみやすくなっています。黄体ホルモンには、栄養を蓄えようとする働きがあるうえ、水分も排出されにくい状態に。体重が増加したと感じるのは、栄養や水分が排出されずにためこまれているからなのです。そのため、生理前は太りやすい時期というより、正確には「栄養や水分がたまりやすい時期」と言えます。

実は、むくむのは体だけでなく脳も同じこと。脳がむくむことで、イライラしやすくなったり、ストレスを感じやすくなったりするんです。イライラを解消するために甘いものをたくさん食べてしまうと、結果的に太ってしまう場合はあるかもしれませんね。

■生理中に痩せない理由って?

続いて、生理中に痩せにくい理由を「生理周期」の観点から見てみましょう。

◇生理周期とダイエットの関係性とは?

生理中の「月経期」は、卵胞がこれから育っていく時期で、もっとも運動に適さない時期。この時期にストレスがたまってしまうと、卵胞が育たなくなってしまう可能性があるからです。ダイエットがストレスになることも考えられますので、この時期にダイエットをする場合は、激しい運動は避けるようにしましょう。

◇生理周期に合わせてダイエットをするメリットは?

生理周期を知り、痩せやすい時期やセーブしたほうがいい時期を把握しておくことで、ダイエットのパフォーマンスも上がりやすくなりますよ。

たとえば、生理前の「黄体期」はむくみやすい時期なので、運動をしてはいけないわけではないですが、あまり効果が見られないかもしれませんね。逆に、生理が終わって卵胞が育ってきた「卵胞期」〜「排卵期」は、多少ハードな運動をしても大丈夫です。この時期は、血管を柔軟にしたり、代謝をよくする働きのある「女性ホルモン」が一番分泌されています。実際に、ダイエットの効果も出やすいと思いますよ。

◇生理不順の人は痩せにくい!?

生理不順の人は、ホルモンの分泌がうまくいっていないということなので、代謝が下がって、痩せにくい体質になっていることが考えられます。生理不順を治したいのなら、生活リズムを見直したり、ストレスを緩和したりすることを心がけてください。ピルを飲むという方法もあるので、病院に相談してみるのもいいと思いますよ。

■生理周期に合わせた効果的なダイエット方法

最後に、生理周期に合わせた効果的なダイエット方法を、くわしく解説します。

◇生理前のダイエット

水を取り込みやすい生理後の「黄体期」は、運動よりも食事内容を工夫してみてください。炭水化物を控えめにするなど、糖質をおさえることで余分な水分を排出できます。またカロリーを完全におさえるのではなく、高たんぱく・低糖質のメニューを取り入れるようにしましょう。

◇生理中のダイエット

生理中の「黄体期」は、激しい運動があまり適していないので、ヨガやストレッチなどゆったりした運動がおすすめです。ピラティスなど、体幹やバランスを鍛えるような運動もいいと思います。体をゆっくり動かしつつ、ストレスも解消できるようなものがベストですね。

◇生理後のダイエット

ダイエットに適した生理後の「卵胞期」や「排卵期」は、ランニングやパワーヨガなどの有酸素運動を取り込んだ、少しハードなエクササイズをしてみるといいでしょう。加圧トレーニングもおすすめです。

■まとめ

女性は日々の生活を送るうえで、生理周期と上手に付き合っていく必要がありますよね。それはダイエットをするときも同じこと。生理周期のことを考えて、体をいたわりながら、効率のいいダイエットをしていきましょう。

(監修:高橋しづこ、文:石部千晶/六識)

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