中国の税関当局は、先月から北朝鮮に輸出される品物に対する手続きや検査を強化した。その影響で、国境地域の物価が急上昇していると、デイリーNKの内部情報筋が伝えてきた。

中朝国境に面した咸鏡北道(ハムギョンブクト)会寧(フェリョン)の市場では、4月にはコメ1キロが4800北朝鮮ウォン(約62円)で取引されていたのに、5月に入り5100北朝鮮ウォン(約66円)に値上がりした。

情報筋はもともとの価格に言及していないが、小麦粉25キロは10元(約163円)、砂糖50キロは50元(約816円)値上がりしたと伝えた。あくまでも参考価格がだが、中国最大のネットショップのタオバオでは、最も安いもので小麦粉50キロは100元(約1630円)、砂糖50キロは380元(約6200円)ほどで売られている。

北朝鮮では、前年の秋に収穫した穀物が底をつく春先から麦の収穫が始まる6月まで、食糧不足(春窮期)に陥る。そのため、大根、白菜などの野菜はかなりの高値で売られている。今年はそれに加えて、中国当局の輸出規制が物価高をさらに煽っている。

中国の税関当局は、4月までは北朝鮮に輸出される食品、日用雑貨、衣類についてほぼフリーパスで通関させていた。ところが5月に入ってからは検査を強化し、輸出品目や量も制限するようになった。

そのため、5月に北朝鮮に輸出された品物の量は4月の半分に減ってしまった。会寧の市場に並ぶ品物は、品数も量も減ってしまった。

情報筋は「春窮期で都市も農村も疲弊しているというのに、中国の制裁でさらに苦しくなった」と語り、中国当局の措置が「制裁」であるとの認識を示している。

この措置について、中国の商務省、海関総署(税関)はともに公式の発表は行っていないが、米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は先月4日、中国丹東の貿易商の話を引用し、税関が北朝鮮向けの品物について全数調査を行うようになったが、係官の数は増やしておらず、通関に非常に時間がかかるようになったと報じている。