ライターのよしひろまさみち氏と共に

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 アートディレクター、デザイナーとして活躍するマイク・ミルズがメガホンをとり、第89回アカデミー賞で脚本賞にノミネートされた「20センチュリー・ウーマン」(公開中)のトークイベントが6月2日、東京・新宿ピカデリーで行われ、映画コメンテーターのLiLiCoがライターのよしひろまさみち氏を相手に作品の魅力を語った。

 オスカー受賞作「人生はビギナーズ」で自身の父をモデルにしたミルズ監督が、新たに自身の母をテーマに据えた親子のドラマ。舞台は1979年。思春期真っただ中の息子ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)の教育方針に悩むシングルマザーのドロシア(アネット・ベニング)は、ジェイミーの幼なじみジュリー(エル・ファニング)、自宅を間借りしているパンクな写真家アビー(グレタ・ガーウィグ)に協力を依頼する。「君が生きた証」「スポットライト 世紀のスクープ」で知られるビリー・クラダップが、ドロシアの自宅の間借り人ウィリアムに扮する。

 「お母さんの感性がすごく素敵で、こういう家族がうらやましい。他人を住まわせちゃうオープンマインドさがとても好き」と語ったLiLiCoは、「彼(ジェイミー)はすごく恵まれていると思う。このお母さんだからこそ、自由というか心が広い」とドロシアにほれぼれした様子だ。

 自身の半生と本作を重ね合わせ「お父さんが出て行っちゃったあと、私のお母さんをすごく好きだったスウェーデン人が『日本語を学びたい』とやってきて、弟を連れて散歩に行けと(言われた)。子ども心になんでだろうと思ってたら、戻ってきたら2人が肩を組んでいた。お母さんは“お母さん”っていう職業だけど、1人の女性でもある。私は仲が悪くても“お母さん”としか見てなくて、すごく申し訳なかった。仲直りすることもなく亡くなってしまったから、もう少し理解をしてあげたかったな。だからこそ、この映画がうらやましかった。こういう関係だったらよかったのになって。監督にお会いしたときに“まるで自分の人生を見てるみたい”と言ったんだけど、ウチらは全然こういう感じじゃなかった。よくよく考えてみると理想だったんだなと、どんどん理解を深めていきましたね」としみじみと語った。

 「“昔こうでしたよ”というのを写真などで挟み込むのがとても上手。時代をすごくわかりやすく表していて、格好いい」とミルズ監督の手腕を評したLiLiCoは「マイク・ミルズ監督に、『お父さん、お母さんと撮って次は何を撮るの?』と聞いたら『次は犬の話にする』って言ってました。今後が楽しみ」と期待を寄せていた。