5月雇用統計はネガティブサプライズ、6月2週目のドル円為替は?

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 懸念していた事態が起こった。5月ADP雇用統計がポジティブサプライズ、5月雇用統計がネガティブサプライズというパターンである。別に珍しい事態ではないのだが、直前のADP社の指標の良好ぶりを確認してしまうと、やはり5月統計への期待感は過度になる。

 6月2日14:15(すべて日本時間)ごろには1ドル111円71銭と先週並みの水準までドルが上がっていた。トランプ大統領のパリ協定離脱というニュースもあったが、選挙の際に公言していた内容ということもあり織り込み済みとう感じが市場からは伝わってきている。

 やはり為替相場が動いたのは21:30に発表された5月雇用統計である。数ある経済指標の中でキングオブ経済指標とも呼ばれているだけに注目度も大きい。発表直前が1ドル111円54銭だった。発表直後に1ドル110円60銭までドルが急激に売られている。ここまで大きな変動は久しぶりのことかもしれない。5月雇用統計は事前予想の前月比+18.5万人に対して+13.8万人と大きく低迷。+20万人に達するのではという期待もあっただけに市場は大きな失望感に包まれた。

 同時に発表された4月貿易収支も事前予想の-461億ドルに対し-476億ドルとこちらも低迷の結果。辛うじて失業率は事前予想の4.4%よりも改善されて4.3%だった。ちなみに平均時給も事前予想の+2.6%よりも低い+2.5%だった。

 これにより大幅なドル安に転じたわけだが、フォローの声も聞かれている。22:56ごろにコーン国家経済会議委員長が、「雇用統計の結果は良いニュース。1カ月の数字には固執しない」とコメント。市場は同意薄である。日付が変わって1:49ごろにハーカー・フィアデルフィア連銀総裁も「年内3回の利上げに関してはなお予想」とコメントは発表している。

 失業率の結果が予想以上に良かったことから、FOMCの6月0.25%の追加利上げはほぼ確実だという声も聞かれている。しかしここ最近の経済指標の結果はかなり厳しいものがあるのも現実なだけにリスクオフの傾向からは抜けきれず、1ドル110円42銭で今週の取引を終えている。

 来週は主だった経済指標の発表はないだけに、注目はロシアゲート疑惑に集まりそうである。