大成功を収めたい人がやめるべき、たった1つのこと

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成功にはさまざまな基準・定義があるが、達成につながる1本の明確な道があるわけではない。人は最もエネルギーを注いだ分野で最大の成功を収められる。そして正しい方向に歩み続けるためには、複数の戦略がある。

成功を収めるには、明晰な精神状態が必要だ。また、すでに成功を収めた人を周りに集め、指導してもらったり、士気を向上させてもらったりすることも重要だ。前向きに考え、目標を設定し、達成のために明確な段階を踏むことで、目的に向けて確実に進歩することができる。

だが精神をうまく制御するための鍵となるのが、マルチタスクの制限だ。複数の作業を同時にではなく順番に行うことで仕事の質が向上し、各タスクにかかる時間が削減される。

『ワン・シング 一点集中がもたらす驚きの効果』の著者、ゲアリー・ケラーとジェイ・パパザンは、目標達成に取り組む前に最優先事項を決めることを勧めている。

最優先事項と決めたことを一番に考え、そのタスクに取り組む時間を毎日・毎週のスケジュールに組み込んでいく。このコンセプトは「タイム・ブロッキング」と呼ばれる。優先事項(ワン・シング)に取り組む時間を捻出し、そのスケジュールを守ることだ。

また、あまりに多くのタスクを一度にこなそうとすると精神の動きが鈍くなることが複数の研究から示されている。並行して2つのタスクを行うことは生産的にも思えるが、私たちの脳は一定レベルの集中力しか保てないのだ。この集中力を複数のタスクに分散させてしまうと、一つも大成功を収められない可能性が非常に高い。

マルチタスクをこなしていると思っていても、実際にはこなせていない人は多い。多くある個々のタスクに少しずつの注意しか向けることができず、1つのことにじっくりと取り組めない。

心理学者のガイ・ウィンチは著書『NYの人気セラピストが教える 自分で心を手当てする方法』の中で、人間の脳は限られた活動量にしか対応できないと指摘している。歩く、呼吸するなどの毎日のタスクが脳の一定領域を占めており、残りは1つのタスクに活用するのが最も効果的だ。マルチタスクを処理し、次から次へとギアを切り替えてばかりいるとエネルギーを浪費し、完全に集中することができない。

別の例としては、携帯の使用と運転の関係を調べたユタ大学の調査で、携帯をいじりながらの運転は、米国での血中アルコール濃度法定上限の0.08%であるときの運転と同程度だということが判明している。ハンズフリーの通話も、携帯操作と同程度の注意力低下につながる。集中していない運転者は運転速度・ブレーキを踏む速度が遅く、車間距離が不安定だった。

また、私たちの脳は一度に1つのことに集中するように作られていることを示すさらなる証拠として、悪名高い「ゴリラ実験」がある。研究者のクリストファー・チャブリスとダニエル・シモンズが行ったものだ。

実験の参加者はバスケットボールの動画を見せられ、その中でボールがパスされる回数を数えるよう指示された。この動画では途中でゴリラの着ぐるみを着た人が紛れ込み、胸をたたいて立ち去るが、参加者の50%はゴリラに気づかなかった。

この現象は「非注意による見落とし(inattentional blindness)」、あるいは「知覚的見落とし(perceptual blindness)」と呼ばれる。実験参加者は、動画にはっきり写るゴリラを認識することができなかった。この例もまた、1つのタスク(ボールパスの回数を数える)に集中すると、他のタスク(ゴリラを認識する)がうまく実行できないことを示している。

成功にたどり着くには多くの方法がある。しかし常に1つの目的に注力すれば、短時間で最高水準の生産性を達成することができるだろう。