快進撃を続ける張本智和【写真:Getty Images】

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世界選手権、水谷撃破の13歳が16強進出「メダルの可能性を囁き始めるべきか」

 卓球の世界選手権(デュッセルドルフ)は2日、男子シングルス3回戦で史上最年少で日本代表に選ばれた13歳・張本智和(エリートアカデミー)が世界ランキング100位の21歳、廖振テイ(台湾)を4-0で下した。圧巻のストレート勝ちで16強進出。前日の2回戦で日本のエースで水谷隼から大金星を挙げた衝撃は止まらず、国際卓球連盟(ITTF)公式サイトは「この少年は只者じゃない。優勝候補だ」と連日の賛辞を送っている。

 欧州を震撼させる13歳が、怒涛の勢いでトップ16に駒を進めた。

 張本は台湾の新鋭を相手にせず、難なく圧倒。4回戦ではルボミール・ピシュティと対戦するが、相手の世界ランク156位のスロバキア人について、公式サイトはこう紹介している。

「ルボミール・ピシュティは男子シングルスのワイルドカードと呼べる存在かもしれない。1回戦で鄭栄植(韓国)を下した。線香花火にすぎないというかもしれないが、大会はベスト16まで進んだ。スロバキア人は、まだ残っているのだ」

 ピシュティは1回戦で13位の鄭から金星を挙げ、勢いに乗った。快進撃を演じ、69位の張本と対戦することになった。

「トップ100位の全ての選手はどんな相手でも倒せる」…張本が象徴的な存在に

 今大会のダークホースは「トップ100位にいる全ての選手は、どんな相手でも倒せる高いレベルにいるんだ」と1回戦勝利後に言ったという。

 そして、トップ100のレベルの高さを物語るピシュティの言葉の象徴的な存在が、日本の神童であると記事では定義付けている。

「彼(ピシュティ)が残した言葉は真実味を帯びている。そして、次の対戦相手、トモカズ・ハリモトが象徴するものだ。この少年は只者ではない。彼は優勝候補だ。我々は彼がメダルを獲得する可能性をささやき始めるべきなのか」

 こう表現し、張本を優勝候補と断言した。

 世界13位の韓国人選手を撃破したピシュティに対し、13歳の天才少年は世界6位でリオデジャネイロ五輪銅メダリストの水谷を破り、今大会最大の大番狂わせを演じている。衝撃が広がり続ける強さで、ITTFもお墨付きの優勝候補に一躍、躍り出た。