中国国営新華社通信などは商務部がまとめた「中米経済貿易関係に関する研究報告書」を紹介。「多くの分野で協力の機会が十分にある」として、米中の蜜月ぶりを誇示している。写真はタイムズスクエア。

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2017年6月2日、中国は米国製航空機、大豆の最大の輸出市場で、中国企業の対米投資が急速に増加している―。中国国営新華社通信などは商務部がこのほどまとめた「中米経済貿易関係に関する研究報告書」を紹介。「多くの分野で協力の機会が十分にある」として、米中の蜜月ぶりを誇示している。

新華社が伝えた報告書によると、中国は米国にとって北米地区を除く最大の輸出市場で、最も急成長している主要輸出市場の一つ。特に米国製航空機、大豆の最大の輸出市場で、自動車、集積回路、綿花の世界第二の輸出市場となっている。米国が輸出する62%の大豆、17%の自動車、15%の集積回路、14%の綿花および約25%のボーイング機が中国に販売されている。

中国の対米役務取引は貿易赤字が長期的に続いており、16年の対中役務取引の貿易黒字は557億ドルに上り、06年の約40倍に達する。観光分野では商務部の推算によると、16年の中国人観光客の米国での1人当たり消費額は約1万3000ドルに達し、他国の観光客を大幅に上回っている。

対米投資では、近年中国企業の投資が急速に増加。商務部のデータによると、11年から16年までの中国企業の米国での非金融系直接投資額の年平均伸び幅は61%だった。

米国が問題視する対中貿易赤字については「06年から16年までの中国の統計によると、中米の貨物貿易黒字が中国の貨物全体の貿易黒字に占める割合は81%から46%に低下した」と指摘。「中米の貨物貿易額に占める割合は55%から48%に低下した」としている。

今後の見通しに関しては「特に12〜16年に中国の対米貨物貿易黒字額の年平均伸び幅はわずか3.5%になっている」と強調。「中国の人件費上昇、他国からの製造業業務の引き受け速度が緩慢、加工貿易の割合が段階的に減少するなどの要因による影響から、中国の対米貿易黒字はさらに減少する傾向にある」と分析している。

さらに報告書は「米国は中国のサービスアウトソーシング産業の最大の発注元市場でもある。中国で投資を行う米企業は6万7000社ある」と例示。「中国に資金と技術と管理の経験をもたらし、雇用と税収を生み出し、専門的人材を大量に育成し、中国の経済発展と産業モデル転換・バージョンアップを積極的に推進する役割を果たしている」と述べている。

その上で「米国の対中貿易赤字問題について、中国は歴史を踏まえて全面的に問題をみるべきだと考えている」と中国政府の立場を説明。「グローバルバリューチェーンの中で、貿易黒字が中国に出現してはいるが、双方は利益を共有しており、全体として相互利益・ウィンウィンの関係だといえる」と力説している。(編集/日向)