英紙『デイリー・メール』が2016-17シーズンの各クラブのサラリーランキングを発表した。リオネル・メッシを擁するバルセロナがトップに立ったものの、上位25クラブのうち15クラブがプレミアリーグのクラブという。

巨額の放映権料を手にしたプレミアリーグは、「金のなる木」でもある。そのため、各クラブはプレミアーグの舞台にとどまり続けようと必死だ。当然。そのために戦力を高める必要が出てくる。より優れた選手を集めようと、サラリー(人件費)が高騰するのは避けられない。

『デイリー・メール』のニック・ハリス記者によると、今季の人件費トップはバルセロナの2億7900万ポンド。以下、マンチェスター・ユナイテッド、チェルシー、レアル・マドリー、マンチェスター・シティ、パリ・サンジェルマン、アーセナル、バイエルン・ミュンヘン、リヴァプール、ユヴェントスと、ヨーロッパのビッグクラブが続いていく。詳細な順位は別にして、強豪が上位に並ぶのは普通のことだ。


だが、ランキングを進めて見ていくと、徐々に“異変”が起きる。17位のウェスト・ハムを皮切りに、サウサンプトン、ストーク、スウォンジー、レスター、サンダーランドとプレミアリーグのクラブが相次いで名を連ねた。23位のアトレティコ・マドリーをはさみ、ウェスト・ブロムにクリスタル・パレスと再びプレミア勢だ。

リーガエスパニョーラで3位のアトレティコよりも、プレミアリーグで最下位に終わり、降格したサンダーランドのほうが人件費は高いという異様な状況になっているのである。ハリス記者によると、サンダーランドのプレミアリーグの賞金は、各リーグを制したユヴェントス、バイエルン、モナコのそれをも上回るという。


今回の数字は正式発表されたものではなく、公表された数字に基づいた推定のデータだ。それでも、上位25クラブでセリエAが4クラブ、リーガエスパニョーラが3クラブ、ブンデスリーガが2クラブ、リーグアンが1クラブだったのに対し、プレミアリーグが15クラブだったのは驚きだろう。

クリスタル・パレスのスティーブ・パリッシュ共同オーナーは、英紙『タイムズ』で「私は世界で20番目の人件費を払っているかもしれないが、私のチームは世界で20番目だろうか。かなり疑わしい」と、プレミアリーグのクラブ運営の難しさを明かしている。