山田裕貴、まっすぐな瞳の説得力 恋愛映画からアウトロー映画までこなす実力を読む

写真拡大

 『カイジ』や『LIAR GAME』『人狼ゲーム』といった人気実写化作品のエッセンスの入った『トモダチゲーム 劇場版』が公開になった。『別冊少年マガジン』(講談社)で連載中のコミックスを、テレビドラマ化に続いて映画2作品で実写化したプロジェクトの映画版前編だ。主演の吉沢亮らと共に、疑心暗鬼のゲームに巻き込まれていく高校生を演じているのが山田裕貴。現在、テレビドラマ『3人のパパ』(TBS系)が放送中、映画『破裏拳ポリマー』も公開中と、引っ張りだこである。

(参考:山田裕貴写真

 2010年に開催された『D☆DATE新メンバーオーディション』でD-BOYS部門のグランプリとなり、現在も俳優集団D2およびD-BOYSのメンバーとして活動を続けている山田は、『海賊戦隊ゴーガイジャー』(テレビ朝日系)でのゴーカイブルー役にて俳優デビューを飾った。涼しげな瞳にマッチしたクールなゴーカイブルーはハマり役に思えたが、SNSや舞台挨拶などからも伝わってくるようにもともとは明るい性格であり、ほどなく作品でもそうした面を見せるようになる。

 ガラリとイメージを変えて好評を博したのが『イタズラなKiss〜Love in TOKYO』(フジテレビ系)での金ちゃん役だ。多田かおるによる少女漫画の名作を、未来穂香と古川雄輝のW主演によって実写化した2013年版のドラマ版で、ヒロインに恋する情にもろい青年に扮して新たなファンを獲得した。

 2014年には『リアル鬼ごっこ』などで知られる山田悠介の小説をヒントに、井口昇監督が映画化した『ライヴ』で映画初主演を飾る。『片腕マシンガール』『ロボゲイシャ』など独自のユーモアセンスで突っ走る井口ワールドが色濃く出た『ライヴ』にあって、デスレースに参加する主人公の田村直人を嫌味のないセンスで演じ、青春映画的な爽やかさまで感じさせたのは、根がスポーツマンの山田が中心に立っていたからだろう。

 さらに同年、紡木たく原作の少女漫画を能年玲奈と登坂広臣で映画化した『ホットロード』に出演。暴走族グループのひとりである金パ役で、グループのひとりながらきっちりと存在感を残す。そして翌年、さらなる飛躍を見せていく。

 福士蒼汰と有村架純のW主演による『ストロボ・エッジ』では、福士演じる一ノ瀬蓮と恋のライバルとなる安堂拓海を熱演。一見、軽そうに思えて、その実は本気で恋した相手をまっすぐに思うキャラクターが支持され、公開時は安堂派が蓮派に劣らぬ人気を得た。また同年、『ガチバン ULTRAMAX』から派生した『闇金ドッグス』シリーズが開始。アンチヒーローというべき闇金屋の安藤忠臣を抑えた演技で見せ、現在までに5作が公開になっている。2016年には同じく闇金の世界を舞台にした『闇金ウシジマくん Part3』に闇金側ではなく、取り巻く人々として出演もしている。またこの年、舞台初主演を務めた『宮本武蔵(完全版)』が、読売演劇大賞優秀作品賞を受賞した。

 そして現在は、タツノコプロの原作を、溝端淳平主演で現在に蘇らせ実写化した『破裏拳ポリマー』と、テレビドラマ『3人のパパ』、そして公開になったばかりの『トモダチゲーム 劇場版』において、その姿を見ることができる。『破裏拳ポリマー』では生真面目な警察官・来間譲一を演じている。溝端扮する鎧武士とキャスティングが逆でもよかったのではとも思えるが、主人公のバディとして迷いのない演技を見せた。

 『3人のパパ』ではエリート商社マン役。誰の子か分からない赤ちゃんと一緒に共同生活を続けるパパ候補3人のひとりを演じている。最初は「深入りしない」というルールもあり、クールに振る舞っていたが、理想と現実の自分とのギャップにもがくなど、普通の若者の心情を表現。ドラマも後半に入り、作品全体に流れる温かな感じに合わせてリラックスした表情を見せているが、佳境に差し掛かるなかで、さらに新たな表情も覗けるかもしれない。

 そして『トモダチゲーム』では高校生役。『トモダチゲーム 劇場版』のクライマックスを担い、吉沢亮のファンと共に悲鳴をあげたくなるサービスショットなシーンも登場する。ファイナルへとつながる終わり方も、山田がお目当てのファンには期待が高まる展開になっている。

 26歳になったいまでも学生役を演じることも多い山田。『トモダチゲーム』でもメガネをかけた秀才高校生になりきり、学ラン制服を違和感なく着こなしている。ピックアップしただけでも、いわゆるキラキラ映画から闇金映画まで、多岐にわたるジャンルのさまざまな役柄に挑戦してきている山田。振り返れば、生まれ持ったまっすぐな瞳が、それぞれの役柄に説得力を持たせているようだ。

 今後も『亜人』、『二度めの夏、二度と会えない君』、『トモダチゲーム 劇場版ファイナル』、『あゝ、荒野』、『デメキン』と、公開作がずらり控える。主役に脇に、またジャンルを選ばず、これからも実力を伸ばしていくに違いない芯の強さも、その瞳から伝わってくる。

(望月ふみ)