東京五輪では屋内禁煙が実施されるのか

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2020年のオリンピックはタバコの害のない東京で、と医療団体や禁煙団体が結集した催し「タバコフリーサミット2017・東京」(主催は厚生労働省、東京都医師会、日本対がん協会)が2017年 5月27日、東京都医師会館で開かれた。

世界保健機関( WHO)と国際オリンピック委員会(IOC)は、オリンピック開催都市では受動喫煙防止のために屋内禁煙を原則とし、北京以降の開催都市は罰則付きの法律を作っている。厚労省はその趣旨に沿う方針だが、自民党は条件を緩めた案を提示し、調整が続いている。

厚労省は忖度しない?

サミットでは正林督章・厚労省健康局健康課長がこれまでの経緯を報告した。正林さんは2001年WHOから厚労省に戻った時、健康局長から「タバコを規制する法律を作れ」と指示された。健康増進法に受動喫煙防止を入れたが「努力義務」にするのが限界だった。しかし、施行は施設の禁煙のきっかけになった。次のがん対策基本法ではがん予防のために成人喫煙率半減の目標12%などを掲げた。そうして昨年夏、受動喫煙対策を含んだオリンピック基本方針が閣議決定され、10月には人の集まる施設や店では原則屋内禁煙とする厚労省案(たたき台) が公表された。

国会で法律を通すには圧倒的多数である与党の支持が不可欠だ。このために与党審査、与党手続きがある。あらかじめ法案を自民党厚生労働部会、総務会、責任者会議などへ示し了承を得る。理解・支援してもらうため、正林さんら担当者は400 人近くの議員に説明回りをした。しかし、自民党はバー、スナックなど一部飲食店での喫煙を要求した。

禁煙によって飲食店は売り上げが減少することを心配している。正林さんは外国や、愛知県、大阪府の調査から影響は少ないと強調した。

シンポジウムでは医師や患者会代表らも発言した。東京都議選ではほぼ全党が公約に掲げたため、東京都の受動喫煙条例が確実視されること、屋内禁煙が実施される時には飲食街での屋外喫煙所の必要性、などさまざまな意見が出た。

また、この日のサミットでは、世界で初めて受動喫煙の害を報告した平山雄氏 (元・国立がんセンター疫学部長) を記念する「タバコフリー日本賞」の創設が発表され、第 1回の賞が片野田耕太氏に贈呈された。片野田さんは国立がん研究センター研究員で日本の肺がんと喫煙の関連を証明した疫学研究が評価された。

(医療ジャーナリスト・田辺功)