Amazonは2016年にドローンを使った配送実験をスタートしており、「ポチって数十分で小包が空から届けられる」という未来が実現間近となっています。従来のトラック配送に替わってドローン配送が実用化されるにあたって、トラックとドローンではどっちがCO2排出量の面で環境に優しいのか、ということをワシントン大学が研究した結果、「距離や荷物の重量によって異なる」という意外な結果が現れました。

Transportation Research Part D: Transport and Environment - ScienceDirect.com

http://www.sciencedirect.com/science/journal/13619209

Drone vs. truck deliveries: Which create less carbon pollution? | UW Today

http://www.washington.edu/news/2017/05/30/drone-vs-truck-deliveries-which-create-less-carbon-pollution/

ワシントン大学土木・環境工学部のアン・グッドチャイルド教授は、トラックとドローンを使った配送の環境負荷を比較する研究を実施しました。比較はロサンゼルスを舞台にした10のシナリオが用いられ、ここではそれぞれ50人〜500人の受取人を含む330のサービスエリアが設けられています。研究者はドローンが持ち運べるのは小包1つだけで、配送毎にベースステーションを往復する必要があると仮定しています。

ドローンはトラックに比べて大量の荷物を一度に運べないという欠点を持っているのですが、比較実験の結果、ドローンは、軽量な荷物を運ぶ短距離飛行や、顧客数が少なく配送ルートがあまりない地域では高いエネルギー効率を発揮し、トラックより少ないCO2排出量を実現できる可能性があることがわかりました。

しかし、どんな状況においてもドローンが環境に優しいというわけではなく、ドローンは配送する荷物の重量が重くなるほどエネルギー効率が下がってしまうため、CO2排出量も増加してしまうとのこと。この場合、大量の貨物を一度に運ぶことができるトラックは、配送ルート上に多くの荷下ろし地点がある場合や、中央倉庫から離れている地域への配送では、ドローンよりCO2排出量が少なく済むということもわかっています。

ドローンとトラックのCO2排出量の違いを表したヒートマップは以下のようになっています。



この結果についてグッドチャイルド教授は「配送エリアの中心部はトラックで多数の商品を配送しつつ、短距離のラストワンマイルをドローンで配送するというハイブリッドアプローチを提案することができます」と述べています。

なお、すでに貨物運送会社のUPSはトラックにドローンの離着陸ステーションを備えたハイブリッド型トラックのテストを行っています。トラックが入れない場所にはドローンを飛ばし、その間にトラックでほかの荷物を人力で届けるというシステムとなっており、ドローンはGPSを通じて移動中のトラックを追跡し、帰還できるというものです。詳細は以下の記事を読むとよくわかります。

宅配トラックからドローンを飛ばして軒先まで商品を届けるテストを運送会社のUPSが開始 - GIGAZINE