OZ発、プチトリップvol.22 地元グルメ×アートを楽しむ!北アルプス国際芸術祭に注目

写真拡大 (全11枚)



日々ロケハンに出かけたり、個人的に旅をしたりしているOZの編集部にとっては、毎日が新しい発見や出会いに満ちた小さな旅。ページには載らない裏話やエピソードをお届け。今回は、編集Kが2017年6月4日(日)から長野県大町市で開催される「北アルプス国際芸術祭2017−信濃大町 食とアートの廻廊−」のプレス向けツアーに参加してきました。

◆自然とパワーがみなぎる大町市へ

新緑が鮮やかな季節。北アルプスの山並みがきれい

芸術祭が行われる長野県大町市は、四方を山々に囲まれ、水の音があちこちから聞こえてくる緑豊かな場所。立山黒部アルペンルートの入口であり、登山の拠点として、また豊富な温泉から毎年たくさんの観光客が訪れるそう。

◆アート旅の拠点、信濃大町駅に到着

青い空に映えるレトロな駅舎。赤い屋根がかわいい

東京からツアーバスで約3時間30分かけて辿りついたのは「信濃大町」駅。駅前には芸術祭のインフォメーションセンターがあるので、アート鑑賞の拠点となりそうです。降りたった瞬間から爽やかな風が吹き抜け、わくわく気分が高まります。駅前のパン屋「マルフク」で買ったカツサンドをほおばり、気合いを入れてアートめぐりをスタート!

◆集落の中に突然ワープホール?

民家に貼られた黄色いテープ。何が見えるのかどきどき

会場は大きく5つのエリアに分かれており、36組のアーティストによる作品が展示されます。開催まであと3週間となる5月中旬、各アーティストは制作活動の大詰め。伺った際には完成している作品はごくわずかでしたが、制作段階を見学できるのも貴重な体験でした。そんな中からほんの一部をご紹介します。
まず、八坂という里山と棚田が広がる地区に存在する、フェリーチェ・ヴァリーニの作品「集落のための楕円」。集落へ下る坂道を歩いていると見えてくる黄色いテープ。これが作品なの? と不思議に思いながら、奥へ奥へ進みました。


じっと見ていると吸い込まれそう。集落に突如現れたアート

ある地点で後ろを振り返った時に、わっと飛び込んできたのはワープホールのような楕円。このアートはある1点から見たときにだけきれいな楕円に見えるので、そこに立つまでは全容が分からない、坂道を歩いた人だけ味わえるご褒美アートです。特殊なテープを使って描かれた黄色い線は、夜にライトを使って図を投影し印を付けていったのだとか。屋根の上に描く際はとび職人さんも活躍したそう。集落ひとつがアートになっている不思議な空間でした。

◆愛情いっぱいの「おこひる」に舌鼓

ていねいに作られた「おこひる」

お腹がぐぅ〜と鳴りはじめたころ、昼処に向かったのは木崎湖周辺。町の北部に広がる木崎湖は、澄み渡るような美しさ。夏は子供たちの水泳場になり、近くのキャンプ場がにぎわうそうです。湖畔のかつての「旅館ろまんす」で地元のお母さんたちによるユニット「YAMANBAガールズ」たちにお出迎えいただき、郷土料理をいただきました。昔の田植えは重労働なので、田植えの合間に「おこひる」という食事を取っていたそう。その「おこひる」を再現した、川の幸、山の幸、そして愛情がいっぱいの御膳です。


木崎湖をバックに「YAMANBAガールズ」と料理長が集合

食事の前には「YAMANBAガールズ」が民話を聞かせてくれます。不作で苦しい冬に、自分を犠牲にしてまで孫や周りの人に食べ物を分けてまわった優しいお爺さんのお話…。このお話の後にいただく食事は、食べ物のありがたさをいっそう強く感じました。大町で採れる姫マスや山菜の天ぷら、凍み大根や大町黒豚など、この町の食文化や生活の知恵を感じる品々、とてもおいしかったです! こちらは芸術祭の会期中、土・日・祝の予約者限定でいただけるので、ぜひ事前の手配を。

◆湖と空を繋ぐ組み紐アート

組み紐は藍染された糸を使用。紐だけでもフォトジェニック

お腹が満腹になったところで次に向かったのは、五十嵐靖晃さんの作品「雲結い」。木崎湖にせり出した桟橋の先にできるのは、組み紐で湖と雲を結ぶというアートです。1本の紐は町の人たちの手で何重にもよりあげられ、人々の思いとともに空へと組み上げられていきます。透き通る湖と、広い広い空を繋ぐ組み紐は、さぞかし美しいんだろうなと完成が楽しみになる作品でした。

◆大町の土の力を感じる壁面

足場は3階建て。作業も大詰めで淺井さんの手が止まりません

続いて町の東、ダムエリアへ。ここで鑑賞したのは、淺井裕介さんの作品「土の泉」。横約40m、高さ9mの壁面に描かれた躍動感のある作品は、町の人の協力とともに制作されました。赤や黒など鮮やかな色がすぐに出るのは、大町の自然の力ならでは。一見ダイナミックな生き物たちも、細部に愛らしい動物が隠れていて思わずクスっと笑ってしまいます。大きな壁画も細い筆で描かれているので、繊細なタッチをぜひ間近で楽しんで下さい。


「大町名店街」の淺井さんのアート。地元の人と一緒に年を重ねます

ちなみに大町の市街地エリアにある「大町名店街」の通路には、淺井さんが3年前の「食とアートの回廊2014」で描いたアートがあります。昭和の時代が香るノスタルジックな商店街は、見逃せないスポットのひとつ。お揃いの青い看板や、味わいのある喫茶店など、見て歩くだけで楽しい通りです。

今回はプレス向けツアーで10作品ほど鑑賞しましたが、1泊2日あれば36の作品すべてを周れる規模です。川や湖、山と自然の中を歩くので、虫よけ&日焼け対策に長袖・長ズボンがおすすめ。2カ月だけの芸術祭をぜひ五感で味わってみてください。



開催期間/2017/6/4(日)〜7/30(日)
開催場所/長野県大町市
鑑賞時間/10:00〜17:00 一部鑑賞時間の異なる作品あり
料金/一般2500円(イベント・パフォーマンスは別料金)
お問合せ/信濃大町駅前インフォメーションセンター
     (北アルプス国際芸術祭実行委員会事務局)
      TEL.0261-23-5500

WRITING/NAOKO KAWAI(OZmall)