「体が続く限りやっていくよ」と男性(画像は『Georgia Baptist Children's Home & Family Ministries, Inc. 2017年3月24日付Facebook「Our Mr. Johnny continues to shine! CNN covered his remarkable story of giving selflessly. 」』のスクリーンショット)

写真拡大

米ジョージア州で身寄りのない子供たちが暮らす施設に毎年、寄付をし続けている86歳の男性がいた。雑誌や新聞などリサイクルして得たお金を寄付してきたが、その総額は40万ドル(約4,500万円)にもなるという。彼の寛大な親切行為はFacebookにて拡散し、『today.com』や『CNN』など複数メディアでも伝えられた。

ジョージア州リングゴールドに住む86歳のジョニー・ジェニングスさんは18歳の時、身寄りのない子供たちが暮らす施設「Georgia Baptist Children’s Home」を初めて訪れた。ジョニーさんにとって人生の“使命”に気付かされた瞬間であり、この訪問が人生を大きく変えるきっかけになった。

ジョニーさんが施設から帰ろうとした時に3人の子供がまとわりつき、うち1人が「僕のお父さんになってくれる?」とすがってきたそうだ。決して裕福とはいえない暮らしをしていたジョニーさんは、その子を養子に迎えることはできなかったものの、一生をかけて同施設に対して経済的に援助することを決めたという。そして硬貨を集め、食べ物や衣類を施設へ持って行くなど自分にできることをし続けた。

やがて妻グゥエンドリンさんとの間にひとり息子のブレントさんを授かったジョニーさんは、お金の大切さを学ばせるために息子と一緒に道路を歩きながらアルミ缶を拾ったり、新聞や雑誌などを収集しリサイクルして換金した。ブレントさんにとって父との思い出は「一緒にリサイクルをして回ったこと」というほど、親子は一緒に収集作業を続け、リサイクルで得たお金を寄付すると同時に貯金にも励んだ。

ブレントさんが高校を卒業し親元から離れた1985年以降も、ジョニーさんはひたすらリサイクル業に精を出した。ジョニーさんの活動を知った人々も協力を申し出てくれたために、ジョニーさんは地元のオフィスにも週に一度紙を収集するなど活動は広がっていった。またジョニーさんの家に教会や企業、個人で古紙を届けてくれる人たちも現れ、そうしたリサイクルで得たお金を施設へ寄付し続けたのだ。

ジョニーさんはこれまで32年間、少ない年で10,000ドル(約110万円)、また多い年で35,000ドル(約390万円)を施設に寄付してきたといい、その総額は40万ドル(約4,500万円)に上るそうだ。

今では家庭を持つ身となった息子ブラントさんは、「父とリサイクルで貯めたお金は、自分の家を購入する資金にもなりました。今でも施設の子供たちのためにリサイクルを続ける父を誇りに思います。父は私だけの父ではなく、ジョージア州の何千人という子供たちの父でもあります」と話している。

施設にとってなくてはならない人になったジョニーさんに対し、施設理事を務めるケネス・トンプソン氏は「私が今まで出会った中で、彼は最も寛大な心を持った人のひとりです。施設の子を思いやる愛を持ったジョニーさんは、称賛に価すべき人物です」とその人柄を絶賛している。

ジョニーさんは年に一度、教会で行われるイベントで寄付金を小切手で手渡しているが、そこに参加した子供たちと一緒に過ごす時間を何より楽しみにしているそうだ。ブラントさんは「父にリサイクル業を辞めろと言っても無理でしょう。リサイクルを続けて子供たちを助けていくことが父なのですから」と語っている。ジョニーさんのこの行為はFacebookにて拡散したが、本人は「そんなに騒ぐことではない」とあくまでも謙虚に話しており、現在も「体が続く限りやっていくよ」と日々リサイクル業に励んでいるという。

画像は『Georgia Baptist Children's Home & Family Ministries, Inc. 2017年3月24日付Facebook「Our Mr. Johnny continues to shine! CNN covered his remarkable story of giving selflessly. 」』のスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 エリス鈴子)