人間の腸に菌が住み着いているように、皮膚にも目に見えない菌が多く存在しています。善玉菌と悪玉菌に分けられ、普段これらは均衡状態を保っています。しかし何かしらの原因によりバランスが崩れると、ある菌だけが異常に増えて、皮膚トラブルの原因となることがあります。皮膚の善玉菌と悪玉菌のバランスが取れていると、肌の調子がよくなり健康に、つまり美肌となっていくのです。

善玉菌と悪玉菌のバランスを取ることが大切

人間は実に様々な菌と共存しています。一口に菌といっても、全てが悪さをするわけではなく、私たちの健康を守ってくれている菌もいます。特に皮膚に住み着いている菌を表皮常在菌といい、善玉菌と悪玉菌がバランスよく存在することで、皮膚の健康が維持されています。しかし、バランスが崩れてしまうこともあります。例えばアクネ菌のように普段は皮膚を守ってくれている菌でも、増加しすぎるとニキビの原因となります。このように善玉菌でも増えすぎると問題となる菌もいます。また抗生物質を使用すると、一部の菌は死んでしまいいますが、抗生物質に耐性のある菌は生き残るため、増えすぎた菌によって皮膚トラブルが起こることがあります。

代表的な表皮常在菌

主な表皮常在菌には次の3つがあります。

●表皮ブドウ球菌

肌の一番外側である表皮に住みつく菌です。肌を美肌にする菌としても知られている表皮ブドウ球菌は、皮脂を餌として、脂肪酸とグリセリンを作り出します。脂肪酸は肌を弱酸性にするので、アルカリ性を好む黄色ブドウ球菌などの増殖を防ぎます。またグリセリンは肌を保護する機能があります。

●アクネ菌

酸素のない環境を好むため、毛穴や皮脂腺に住み着いています。普段は病原菌などの増殖を抑え、肌を守ってくれていますが、皮脂が異常分泌されたりすると異常増殖し、肌の炎症が起こりニキビの原因となります。

●黄色ブドウ球菌

アルカリ性を好み、肌の表皮にいる菌です。肌の均衡状態が保たれているときは、おとなしくしていますが、肌がアルカリ性に傾くことで黄色ブドウ球菌が増殖すると、皮膚トラブルの原因となります。黄色ブドウ球菌の働きが強いと、皮膚の炎症から化膿してしまう場合もあります。

善玉菌の活性化が美肌につながる

肌を良い状態で保つためには、表皮ブドウ球菌などの善玉菌を活性化させることが大切です。表皮常在菌は種類により、アルカリ性を好む菌、または弱酸性を好む菌に分かれ、病原菌の多くはアルカリ性を好みます。だから表皮ブドウ球菌のように肌を弱酸性にしてくれる菌は肌を健康にしてくれるのです。

表皮ブドウ球菌を活性化させるためには、餌となる皮脂が十分にあることが必要です。クレンジングや洗顔料による肌の洗いすぎは、皮脂を洗い流してしまうだけでなく、肌をアルカリ性に変えてしまいます。この状態では表皮ブドウ球菌は生存できず、代わりに増えていくのは黄色ブドウ球菌です。また肌が乾燥した状態が続くと、やはり皮脂の不足から表皮ブドウ球菌が少なくなってしまいます。肌は洗えば洗うほど、きれいになるような気がしますが、実はそうではないんです。

ほどよく皮脂を肌に残すことが、美肌にするための重要ポイントだったのです。そのためには、洗顔料やクレンジングの使用は1日1回までにしましょう。バランスのよい食事と適度な運動で汗をかくことも、肌の皮脂を分泌させるのに役立ちます。表皮ブドウ球菌など善玉菌の働きをうまく利用して、美肌を目指しましょう。


writer:Akina