田中将大は「復活」できるか

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大リーグ・ヤンキース田中将大投手(28)のインスタグラムが「炎上」している。周囲の期待を裏切る内容の投球が続いていることに、現地のファンが怒りのコメントを相次いで投稿しているのだ。

「Yellow Monkey」――。田中がインスタに投稿した最新の画像に寄せられたコメントの一部には、人種差別的な言葉や、米国では相手を侮蔑するときに使う、いわゆる「Fワード」が並んでいる。

「あなたは正直ゴミです」

名門ヤンキースで今シーズンの開幕投手をつとめた田中だが、ここまでは思ったような結果を残せていない。2017年6月2日現在の成績は、5勝5敗で防御率6.34。大量失点を喫して「炎上」してしまうケースが多く、1試合6失点以上の試合は4度もある。

田中の年俸は約2200万ドル(約25億円)。メジャーの「エース格」投手としては、決して「高すぎる」額ではないが、ここまで残している成績とは釣り合わないことは確かだ。 さらに今季の田中は、球団やファンにとって「重要な試合」で滅多打ちを食らっている。

その一つが開幕戦だ。今季初のマウンドで田中は、2回途中7失点でKO。ヤンキースの開幕投手としては史上最短(タイ記録)の降板で、これは1983年以来34年ぶりとなる「不名誉記録」だった。

もう一つは、5月14日(現地時間)に本拠地で行われた対アストロズ戦。この日は、2014年に現役を引退したデレク・ジーター氏の永久欠番セレモニーが開かれた「特別な試合」だった。ここでも田中は1回途中8失点と大炎上。KOを食らってマウンドを降りる際には、満員のファンから強烈な「ブーイング」が送られた。

こうした田中のピッチングに納得できないヤンキース・ファンが、田中のインスタ上で怒りを爆発させているのだ。実際、17年5月5日に投稿された最新の画像には、

「GO BACK TO JAPAN AND BE A HORRIBLE PITCHER OVER THERE(日本に帰って、そこで最低なピッチャーでいろ)」
「Your honestly so trash(あなたは正直ゴミです)」(編集部訳)

といったコメントが並んでいる。中には、Fワードを使ったものや、「U are(中略)Yellow Monkey」「Overpaid Gook」など、「Gook」と「Yellow Monkey」というアジア人に対する差別語を使ったコメントもある。

現地メディアも「まるで井川慶」

田中のピッチングに厳しい目を向けているのはファンだけではない。現地メディアからも、痛烈な批判を受けているのだ。ニューヨーク・デイリーニュースは現地6月1日のウェブ版記事で、

「Masahiro Tanaka is still hurting the Yankees despite being their『ace』(田中将大は『エース』にもかかわらずヤンキースに害を与えている)」

と厳しく指摘。さらに、ニューヨーク・ポストが5月20日に配信したウェブ版記事では、ヤンキースのFA史上「最大の失敗」とも言われる日本人ピッチャーを引き合いに、

「Like Kei Igawa(まるで井川慶のようだ)」

と皮肉っていた。井川投手は、2007年に当時のレートで総額50億円以上となる超大型契約でヤンキースに入団したが、在籍5年間で残した成績は2勝4敗(16登板)、防御率6.66だった。

ただ、ファンの全員が田中に辛らつな訳でもない。実際、先述した5月5日の田中のインスタ投稿には、「復活」を信じるヤンキース・ファンから、

「Don't listen to these guys. We got your back(批判している人の話は聞かないで。私たちはあなたの復活を待っています)」
 「I have faith in you Masahiro(私は将大を信じています)」

といった温かいコメントも寄せられている。