中国では最近、子どもの日を祝う「80後」や「90後」(1980年代、1990年代生まれの若者)が多くなってきている。

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「『宝宝』の祝日が来たから、プレゼント準備できた?」(「宝宝」は赤ちゃんに対する愛称。中国では「宝宝」を「私」の意味で使うのが流行している)―。6月1日は国際児童デー。中国ではSNSチャット上で「六一」の文字を打ち込むと、たくさんの赤い風船が画面の上から降りてくる。最近は子どもの日を祝う「80後」や「90後」(1980年代、1990年代生まれの若者)が多くなってきている。中国新聞網が1日付で伝えた。

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「六一」は子どもが待ち望む祝日だが、子どもではないはずの若者も「六一」を祝いたがるのはなぜなのか。「若者が児童デーを祝いたがり、『宝宝』と自称するのが好きなのは、忙しい生活に楽しみを加え、無邪気な心を保ちたいだけ。本当に自分のことを赤ちゃんだと思っているわけではない」と大学3年生の何曹瀚さんは語る。だが、同じく大学3年生の江芸さんは「最近のこの風潮は理解できない」と反発。江さんは「自分のことを『宝宝』と呼ぶのはおかしいと思う。子どもの頃の思い出を回想することはあるが、もう子どもではないのだから大人としての自覚を持つべきだ。こうした風潮は若者を現実から逃避させる悪影響しかない」と熱を込める。

先月31日、山東省済南市のあちこちで、大人をターゲットにした「無邪気さを失ってはならない」「誰でも『お姫様』になりたい」などというスローガンを掲げる店が見受けられた。ネットのショッピングサイトにも、子ども時代を懐かしむ商品が数多く出品された。「80後」と「90後」が幼い頃に好きだった菓子や玩具が販売され、こうした商品が詰め込まれた「六一福袋」を売り出した店も少なくない。

さらに大学が積極的に取り組んだ例も見られた。山東師範大学文学院はSNSアプリ「微信(Wechat)」上で「子ども時代の写真を集めて、もう一度『六一』を過ごそう」というイベントを催し、当時を思い出すことを呼び掛けた。主催者の陳さんは「今回の活動は学生から大きな反響を呼び、特に女子学生が積極的に参加してきた。今の大学生は幼年期を懐かしむ傾向にあり、いつまでも若くありたいと願っている。この活動が親元を離れて勉学に励む学生たちの慰めになれば満足」と語る。

オーストラリアに留学した経験を持つ劉さんによると、「海外の若者も子どもの日にプレゼントを贈り合い、ショッピングや食事などで仕事と勉強のストレスを発散する」そうだ。

山東大学哲学・社会発展学院で社会心理学を研究している馬広海教授はこの風潮について「遊びとしての側面もいくらかある。大人になりたくないという気持ちは、中年の人が老いたくないと思うのと同じで、自らの社会での役割が移り変わっていく段階に現れる普遍なものだ」と指摘する。中国の若者はほとんどが一人っ子。このため、幼い頃から余裕のある生活を送り、常に「子ども」として家族らに扱われている。馬教授は「若者たちの盛り上がりは、彼らの一部が社会での役割が変わる転換期にあり、新たな役割をスムーズに受け入れられるよう学校と社会が支援すべきということを説明している」との認識も示した。(提供/環球網・編集/インナ、黄テイ)