「週末映画館でこれ観よう!」今週の編集部オススメ映画は『LOGAN/ローガン』『武曲 MUKOKU』

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 リアルサウンド映画部の編集スタッフが週替りでお届けする「週末映画館でこれ観よう!」。毎週末にオススメ映画・特集上映をご紹介。今週は、編集スタッフ2人がそれぞれのイチオシ作品をプッシュします。

■『LOGAN/ローガン』

 リアルサウンド映画部のロン毛担当・宮川がオススメするのは、『X-MEN』シリーズのスピンオフ作品、『ウルヴァリン』シリーズの第3弾となる『LOGAN/ローガン』。

 治癒能力が衰えたウルヴァリンことローガン、パワーをコントロールすることができなくなったプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビア、そして言葉を発しない謎の少女ローラ……。

 本当にこれは『X-MEN』や『ウルヴァリン』シリーズの1作なのか!? 映画を観ているうちにそんな疑念すら脳裏に浮かんでしまったほど、『LOGAN/ローガン』はアメコミ映画の枠組みを超えた大傑作だった。

 個人的には、過去作品の中でもっとも評価できない『ウルヴァリン:SAMURAI』のジェームズ・マンゴールドが監督を務めるということで、当初は不安が大きかったが、いざ蓋を開けてみれば! というやつ。全米をはじめとする世界各国での大ヒットや批評家の大絶賛も納得の仕上がりだ。

 監督自身もインタビューで語っているとおり(“怒りを抱えた国”を見せる作品だ」『LOGAN/ローガン』監督インタビュー)、作品からは、ジャンルにとらわれないものを作り上げようとした、監督をはじめとするスタッフとジャックマンらキャスト陣の熱意がひしひしと伝わってくる。これまで17年間にわたって活躍してきた“ヒュー・ジャックマンのウルヴァリン”を締めくくるにふさわしいラストを飾るため、ド派手なバトルシーンや強大なヴィランの存在にまったく頼ることなく、あくまでもローガンというひとりの男(とその家族たち)を描き切ったのが成功の理由ではないだろうか。

 思い返せば、前作『ウルヴァリン:SAMURAI』でのマンゴールド監督は、途中降板したダーレン・アロノフスキー監督の後を引き継ぐかたちで、脚本にもほとんど携わっていなかった。今回監督にインタビューをして、『ウルヴァリン:SAMURAI』は本人にとっても作品の出来に納得のいかない部分があったということがうかがい知れた。そして、あの失敗があったからこそ、『LOGAN/ローガン』という名作が生まれたと言っても過言ではないだろう。

 ヒュー・ジャックマン演じるウルヴァリンをこれ以上観ることができないのは非常に残念だが、心からラストにふさわしい作品だと思えるし、『X-MEN』や『ウルヴァリン』を観たことがない人にもぜひ観てもらいたい1作だ。

■『武曲 MUKOKU』

 リアルサウンド映画部の大和田がオススメするのは、『武曲 MUKOKU』。

 先日取材した完成披露試写会では、出演キャストがそれぞれ自身のライバルについて尋ねられ、俳優の村上淳さん、歌手のUAさんの息子である村上虹郎さんが「両親」と答えていました。確かに、尊敬する親を目標とする方は少なくありません。村上さんのように両親が芸の道を歩んでいなくても、医師や職人などの専門職は、二代、三代と続いているケースもあります。

 綾野剛さん演じる本作の主人公・谷田部研吾も、同じように父の厳しい指導のもと、剣道を極めようとしていました。しかし、その厳しさゆえに、彼は父を激しく憎むようになってしまいます。とはいえ、その心の奥底には、やはり尊敬の念もあったのではないでしょうか。

 研吾は、父親との“ある一件”から、どん底の生活を送ることになるほど、深い人生の闇を抱えてしまいます。“ある一件”はネタバレになってしまうので書きませんが、その出来事は、研吾が父を追い越した瞬間でもありました。目標を絶たれた時、人はそのこととどう向き合うべきか。研吾の闘いを描く本作に、その答えがあるのかもしれません。

 ちなみに綾野さんは、役作りのために撮影の2カ月前から剣道の特訓を行ったとのこと。そのストイックさには、役者として強い信念を感じました。『最高の離婚』に出演していた時の、人懐っこくてゆるい雰囲気の役柄がとても好きでしたが、それとは全く違う、鬼気迫る剣道シーンにも、すごく魅せられてしまいました。なお、リアルサウンド映画部では、映画ライターの磯部正和氏による綾野剛さんの俳優評を近日掲載予定です。

(リアルサウンド編集部)