16番目のグーグル社員、現ユーチューブCEOが歩んだ道のり

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現在48歳のユーチューブCEOのスーザン・ウォシッキーは、リベラルアーツ専攻の大学生が巨大テック企業のトップに登りつめるまでの道のりを振り返った。

「過去を振り返ると、経験したことのない世界が未来に広がっていると思えた瞬間があった。そして、それがどんなものになるのかが見えた時があった」

5月24日、カリフォルニア州パロアルトのCommonwealth Club のイベントでウォシッキーは、自らのキャリアと女性がテック業界で働くことについて語った。フォーブスの「一代で富を築いた米国の女性富豪ランキング」で彼女は今年41位にランクインを果たし、推定資産額は4億1000万ドル(約455億円)とされている。

ウォシッキーがユーチューブCEOに就任したのは、彼女がグーグルの上司らを説得し、16億5000万ドルでユーチューブを買収してから8年後の2014年のことだった。ユーチューブの企業価値は今では700億ドル(約7兆8000億円)とされている。

16番目のグーグル社員

彼女とグーグルとの関わりは1998年の創業当時に遡る。グーグル創設者のラリー・ページとセルゲイ・ブリンはカルフォニア州メンローパークのウォシッキーの自宅のガレージ内にオフィスを創設した。その後、ウォシッキーはグーグルの16番目の社員になった。

彼女が最初の転機を迎えたのは、大学3年生の夏休み、創業間もないグーグルでアルバイトをした時の事だ。テクノロジーが世界を変える可能性の大きさに気づいたウォシッキーは4年生になりハーバードでコンピュータ・サイエンスを履修した。

卒業後はベインアンドカンパニーに務め、UCLAのビジネススクールに通った後、インテルで働いた。そして1999年にグーグルに参画。まだ赤字だったグーグルを、マーケティング担当者として世界的ブランドに高めるのが彼女のミッションだった。「回りの人々は妊娠4ヶ月の私に、そんな仕事が務まるはずがないと思っていた」とウォシッキーは振り返る。

「儲けが第一とは思っていなかった。人々の暮らしを変えたいという願いだけがあった。有用な情報を人々に届け、世界を良い方向に変えたいと思っていた」

広告事業を黒字化させた彼女は社内の出世の階段を駆け上がった。2006年にユーチューブ買収の話が持ち上がった時に、それを後押ししたのが彼女だ。誰かが投稿した動画を人々が楽しむ未来が彼女には見えた。しかし、周囲の理解を得ることは難しかった。そのユーチューブでは、今や毎日10億時間分の動画が再生されている。

ユーチューブのCEOの座についたウォシッキーは、職場に多様性をもたらし、女性たちのテック領域への進出を支援することをミッションに掲げている。

ユーチューブの女性社員比率は30%

「既に社内に居る女性たちにも、一層の働きかけが必要だ」と彼女は言う。今年3月にVanity Fairに寄稿した記事でウォシッキーは、ユーチューブで働く女性従業員の比率は彼女がCEOに就任以来、24%から30%まで上昇したと述べた。

ウォシッキーは今回のイベントで、若い女性たちを勇気づけ、自信やビジョンを持たせることがいかに重要であるかを説いた。「自分が大学で学んだ一番大切な事の一つは自分のために考える事。そして、誰にも邪魔をさせないということだった」と彼女は言う。

ウォシッキーは今後、高校の授業に外国語と同じレベルでコンピュータ・サイエンスが取り入れられることを願っている。「コンピュータ・サイエンスには文学と同じパワーがある。仮に全人口の14%程度でも文学に親しむ人たちが居れば、世界はもっと違ったものになると思う」

「テクノロジーには未来を作り出す力がある」とウォシッキーは言う。「物事を違った角度から見つめることが、これからの時代を生み出すのです」と彼女は続けた。