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●急激な成長の背景

テレビCMの高感度ランキングで上位を獲得し続けるUQ mobile。CM効果で認知度も向上し、UQ mobileの契約者数は急増している。格安通信市場において、短期間で大きな存在となったUQ mobileは絶好調といったところ。しかし、悩みは尽きないようだ。

○認知度向上で急激に成長

UQ mobileのテレビCM「3姉妹シリーズ」が好評を得ている。運営元のUQコミュニケーションズは、CM総合研究所の調査結果を引き合いに出し、7カ月連続でトップ10入りしたとアピールする。昨年の10月25日から放映がスタートしており、ずっと人気を保ったまま推移していることがわかる。

テレビCM効果は抜群だ。UQ mobileの認知度はちょうど1年前までわずか24%だった。それが新CM開始後の昨年11月には61%、今年3月時点では89%にまで上昇。多くの人に知られる存在となった。結果として、昨年10月には30万契約程度と推測されるが、今年度には100万の大台を目指せるところまで来ているという。

もちろん、認知度向上が契約者増にそのまま結びつくわけではなく、様々な取り組みを進めてきた結果でもある。販売端末にiPhone SEを加えたり、UQ学割を導入して学生向けのプランや、5分かけ放題の「おしゃべりプラン」といったサービスも出したりしてきた。顧客とのタッチポイントも拡大。取扱量販店を増やすとともに、対面で接客対応をする「UQスポット」も半年強で67店舗まで増やした。一連の施策は半年ほどで行ってきたことである。いかに短期間で急成長を遂げているかがわかるだろう。

●家族割導入で契約者獲得へ

○さらなる成長に向けて

さらなる成長に向けて手を緩めることもない。今回、新たにUQ家族割を導入する。親回線が対象の料金プランに入ることで、子回線の月額基本料が500円割引きされるということである。家族4人であれば、子回線は3回線となり、毎月1,500円が通常よりも割り引かれることになる。

端末ラインナップも増やす。省エネ液晶のIGZOディスプレイを搭載した「AQUOS L2」(6月2日発売)、耐久性を高さをウリにした「DIGNO V」(7月中旬発売)を新たに導入。サービス面でも、既存のサービスをセットにした「UQあんしんパック」(遠隔操作案内、クラウドバックアップ、SNSセキュリティ)、「家族みまもりパック」(SNS監視、みまもりサービス)を新たにリリースする。

セットサービスは家族割の普及を図る側面が強そうだが、UQのミッションとなる「安心、快適、高品質な通信ライフをみんなのものに」に沿ったサービスともなる。さらに、タッチポイントとなるUQスポットも2017年度中に120店舗まで増やす方針だ。

○UQ mobileの課題

ここまで順調に成長してきたUQ mobileではあるが、ライバルのワイモバイルに追いつくには課題がないわけではない。

テレビCMで申し分のない認知度となったが、問題は契約に結びつけるためのタッチポイントである。現状は、ウェブ、電話、量販店、UQ スポットが柱となり、このうち、量販店での契約が最も多いとする。しかし、量販店では気が引けるという人もいるとし、そのためにUQ スポットの拡大は至上命題となっている。

だが、UQコミュニケーションズの野坂章雄社長の言葉を聞くと、店舗数を増やし続けることは考えていないことがわかる。

●タッチポイントをどうするか

「契約に当たって、どこに行けばいいのかわからないというお客さんがいる。(スマートフォンは)リアルタッチが必要な商品だと思う。ただ、(UQスポット)を200店舗にしたところで、全国にあるドコモショップには敵わない」(野坂氏)。

さらに、auショップの活用は考えていないとした上で、「携帯ショップを1000店舗作らないといけない時代なのか。(中略)1県1店舗ほしいとは言ったけれど、100店、200店から、さらに増やして1000店にすることは絶対にないと思う」(同氏)などと話す。

これから先を見据え、ワイモバイルに追いつくには、かねてから行われてきたリアル店舗の拡大を目指すだけでは、いつまで経っても追いつけない。店舗開設には時間がかかり、追いついた頃には、格安通信市場がどうなっているかわからない。おそらく、こうした見通しがあるからこそ、別の手立ても必要だということなのだろう。

ではどうするのか。現在は答えがないようだが、野坂社長は「SNS隆盛の時代に、別の方策がないのか、社員には知恵を出しなさいと言っている」とし、「我々にとっては分かれ道で、口コミを活用できないのかと。僕らの進化が問われるところだと思っている」と危機感もあらわにする。

UQ mobileの現状は表向き、高いCM好感度、契約者数の急増を背景に、まさにイケイケ状態だが、これから先は手腕が問われるというのがリアルなところ。あとひとつ、大きな武器が欲しいというのが本音のようだ。