老後のための確定拠出年金は「45歳からやればいい」

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 こんにちは。ファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢です。

 2017年から、原則誰でも加入できるようになった個人型確定拠出年金(iDeCo・イデコ※)。

 メディアなどで目にして、気になっている方もいるかもしれません。iDeCoとどう付き合うのが良いか、考えてみましょう。

 ※自分で選んだ投資信託などの金融商品に、毎月掛金を積み立てていき、原則60歳以降に受取るしくみ。

◆普通の積み立てよりは、減税される分がお得

 iDeCoの大きな特徴は、拠出した(積み立てた)金額が全額所得控除になるという点。

 例えば拠出額を毎月2万円(年間24万円)とした場合、所得税・住民税は、所得から24万円を差し引いて計算することになり、減税になります。年収300万円・所得税率5%の人の場合、所得税が1.2万円(24万円×5%)・住民税が2.4万円(24万円×10% 住民税は所得に関係なく一律10%)の、合計3.6万円減税になります。

 iDeCoで積み立てる商品は、運用成績によって額面が変動する投資信託だけでなく、定期預金などの元本保証型商品もあります。普通に銀行預金で積立をすることに比べ、減税効果が得られる分だけ考えても有利です。

◆やるなら、60歳まで使わないお金&上限額いっぱい、が賢い

 一方で、iDeCoを行う際には、口座開設や維持に手数料がかかります。口座開設時は2,777円〜、運用中にかかる手数料は月167円〜(年2,004円〜)、手数料は金融機関によって違い、表記は最低限かかる金額で、もう少し高いこともあります。

 iDeCoに拠出できる金額は人によって違います。自営業は月額6.8万円、会社員は企業年金の有無や種類によって月額1.2〜2.3万円が上限です。

 月額1.2万円しか拠出できない会社員の場合、年間14.4万円の拠出額に対して口座の維持にかかる手数料が最低でも年間2,004円と1.3%以上を占め、低い割合とは言えません。せっかくiDeCoをするならば、手数料の割合を低くするためにも上限額いっぱいで取り組むことが合理的でしょう。

 ただし、iDeCoは、原則60歳まで引き出すことができません。住宅購入や子どもの教育資金など、いざという時に使えるお金が必要な世代にとっては、拠出額や取り組みは慎重に判断する必要があります。

◆ひとつの目安は「45歳以上はやれ、45歳までは待て」

 iDeCoをするのであれば、上限額いっぱいで取り組んだ方が手数料の割合が下げられるため合理的。しかし、60歳まで引き出せないことを考慮する必要がある。ということであれば、どのようにiDeCoと付き合うのが良いでしょうか。

 私は、一つの目安として”45歳以上はやれ、45歳までは待て”と言えるのではないかと考えています。

 45歳以上ではセカンドライフを迎えるまでに残された時間が比較的短くなるため、強制的に一定の老後資金を確保すべくiDeCoに取り組む必要性が高くなります。また、まとまった預貯金ができていれば、その資金をiDeCo口座に移動させる(銀行普通預金残金をiDeCo内定期預金購入に充てる)ことで減税効果も得られるため、活用できるパターンも多いと言えます。

 45歳未満でも、既にある程度の預貯金がある場合や、毎月2万円程度の資産運用を継続できている人にとってはiDeCoは有利に働きそうです。

 資産運用が初めてだったり、貯蓄習慣がまだあまり定着していない若い層にとっては、貯めるお金が60歳以降にしか引き出せないお金になることの負担が重い可能性があります。無理にiDeCoにこだわらず、NISAなど、資金をすぐ引き出せる口座を使って、自分に合う投資スタイルを探すところから始めても良いでしょう。

 iDeCoの上限額が自分にとって続けやすい金額なのか、“慎重に判断する”意味の待てで、資産形成にとりくまない方が良いという意味ではありません。

◆上限額を積み立てるメドが立ったら、全力で始める

 iDeCoに限らず、資産形成は早めに取り組む方が冷静な判断ができたり、期待できる利益が大きくなったりといったメリットがあります。とはいえ、直近の生活やライフイベントでお金に困る事態は避けたいでしょう。

 iDeCoについては情報収集などは早めに行いながら、拠出上限額を続けられそうな目処が立ったタイミングで全力で取り組む、が1つの選択肢といえそうです。

<TEXT/風呂内亜矢>
【風呂内 亜矢(ふろうち・あや)】
ファイナンシャルプランナー。CFP認定者、宅地建物取引士。26歳でマンションを購入したことをきっかけにお金の勉強を始める。現在はテレビ、ラジオ、雑誌等でお金に関する情報を発信している。近著に『デキる女は「抜け目」ない』、監修書籍に『マンガでわかる確定拠出年金』など
公式サイト:http://www.furouchi.com/
公式ツイッター:@furouchiaya