湊かなえ原作のドラマ「リバース」第6話。


今まで事件の外堀りを少しずつ埋めるように謎が解明され、その分だけ新しい謎が追加されていた。我々原作読んでない組の視聴者はそれに振り回され、一話が終わる度に「まったくわからない!」と混乱させられてきた。

しかし、今話の最後、「リバース」は外堀埋めシステムを急に変更し、謎のど真ん中の部分をズドンと発表。「うおお!そんな真実が!」と驚いたが、それはそれで混乱してしまった。もう、制作スタッフの手の平の上も良い所だ。

ほんと、イヤな気持ちになる


一枚の写真(夏菜)を手がかりに、深瀬(藤原竜也)と浅見(玉森裕太)は、広沢(小池徹平)と付き合っていたというカワちゃんこと河部という女性を探す。ようやく写真の女性を見つけるが、広沢とは一週間しか付き合っていなかったという。さらに、かわちゃんはかわちゃんでも、この女性の名字は川本。長く広沢と付き合っていたのは、隣のクラスのかわちゃんだった。

前話で一番怪しいと思われていたカワちゃん(夏菜)が、まさかのほぼ無関係。この時点で、なんとなく嫌な予感がしてしまう。

深瀬ら10年前の事件のメンバー4人が、松永(山崎裕太)に送ってもらった卒業アルバムを開くとそこには、河部美穂子という名前で深瀬の彼女・越智美穂子の姿が・・・・・・。

「ずっと予測していた、いつか最悪の事態が起きる」という深瀬の心の声の後に、にアルバムのページがめくられ美穂子がドーン。もうこの演出キツすぎる。

最初から美穂子が出てくるショックよりも、「え?なになに?なんか嫌なこと起こるの?」と、不安にさせてから美穂子の写真が出てくるショックの大きさ。

いきなりビンタされるよりも、10秒後にビンタするよって宣言され、カウントダウン後にビンタされる方が怖いという感覚に似ている。意外性よりも、必ず来る嫌な未来を待つのが一番キツイというヤツだ。

そして追い打ちするように、谷原(谷原隼人)がホームに落ちた時に美穂子と一緒にいたことを告白。さらに村井(三浦貴大)が、美穂子は事務所のボランティアスタッフだと打ち明ける。美穂子は、それぞれに近づいていたのだ。

これで、脅迫文の犯人は美穂子でほぼ確定。さすがは原作「読んだらイヤな気持ちになるミステリー」、“イヤミス”の女王・湊かなえだ。

さらにイヤな気持ちになる真実


それでも、それでも美穂子の深瀬に対する気持ちは本物だ。きっと、最後の最後で「復讐したいけど、深瀬君には出来ない!」と泣きじゃくってくれるはず。深瀬のことは裏切らないはずだ。スマホの待ち受けにも深瀬が送った夕日の写真使っていたのだから。

と、思いたいのが、こっちの心情。しかし、現実は違った。美穂子が母・浩子(いしのようこ)の見舞いに来ていた時の病室でのシーンを見返していると、さらにイヤな気持ちになる真実を見つけてしまった。

浩子が夕日の画像について美穂子に尋ねると、彼氏から送ってもらった画像だということが判明。普通に考えれば、少し前に深瀬が送った画像という事になるが、ちゃんと見比べるとこれが全然違う。角度が違うとかいうレベルではなく、雲の量も形も、太陽の色も出方も、全くの別物。悲しいがこれは、広沢から送ってもらった画像だろう。

さらに浩子にどんな彼氏かを聞かれる美穂子。

美穂子「間のある人、不器用で、ちょっと抜けてて、ビックリするぐらいお人好しな人。肉まん半分こする時に、ちょっと大きい方を迷わず相手にあげられる人」

これも普通に聞けば深瀬のようだが、広沢にも全て当てハマる。おそらく、美穂子は深瀬に全く愛情の様な物を感じていないのだろう。深瀬、久しぶりに出来た彼女なのにかわいそう。


美穂子と浩子の会話の最後。

浩子「本当に好きなんやな。あんたがそんな顔すんの久しぶりに見たわ。ええとこも悪い所も好きになってからが本番や。この人って思える人にはなかなか出会えわれへんから、あんた逃したらあかんで?」

美穂子「そうかもね」

美穂子もかわいそう。

今夜放送の第8話は、美穂子がめちゃくちゃ復讐しそうな雰囲気だ。

(沢野奈津夫@HEW イラスト/Morimori no moRi)