力強さも兼ね備えた北欧フォーキー・ポップの新星 / 『SOULPRINTS』スミス&テル(Album Review)

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 昨今の北欧のシーンの充実ぶりには目を見張るものがあるが、またしてもフレッシュなアーティストが登場した。スミス&テルは、スウェーデンで結成されたフォーキー・ポップのデュオ。マリア・ジェーン・スミスとヴィクター・テルという、映画から飛び出してきたかのような美男美女のカップルは、ビジュアルだけでなく楽曲でも強いインパクトを残してくれる。

 まず、彼らの最大の持ち味といえば、マリアの爽快でキュートなヴォーカルだ。北欧の女性ヴォーカリストというと、どちらかといえば内省的なウィスパー・ヴォイスの印象が強い。しかし、彼女の場合は自身の内面を歌っていても、外に向けてのパワーを感じさせてくれる。英語詞で歌っていることもその要因かもしれないが、米国のカントリーやフォーク・ロックの雰囲気が濃厚だ。例えば、フェイヴァリット・アーティストにシェリル・クロウの名前が挙げられていたりするが、なるほどと思わせる力強さを感じさせてくれる。

 とはいえ、ヨーロピアン・トラッドな雰囲気も忘れてはいない。ザ・ルミニアーズやオブ・モンスターズ・アンド・メンなどにも通じる多幸感溢れるリズミカルなサウンドはとても魅力的だし、数々のメロディックなスウェディッシュ・ポップの流れに位置するポップ・ナンバーも捨てがたい。いずれにせよ、内向的でマニアの間で終わる音楽ではないことは確か。北欧ポップのキーパーソンとして、大きく羽ばたいてもらいたいと期待している。


Text: 栗本 斉

◎リリース情報
『SOULPRINTS』
スミス&テル
2017/05/17 RELEASE
2,376円(tax incl.)