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●3つの代表的な目の病気

コンタクトレンズは毎日の生活を快適にしてくれ、その恩恵にあずかっている人も多い。近年は装用感や酸素透過率に優れた製品が毎年のように発売されているが、利便性を求めるあまり安全性を軽視してしまいがちなユーザーもみられる。

コンタクトは、目という非常に重要かつデリケートな体のパーツと密着して使用する。それだけに、適切ではない使い方をすれば相応のリスクを負うことになる。本稿ではあまきクリニック院長の味木幸医師の解説をもとに「コンタクトが原因でよく起きる目の病気」を紹介する。

○ドライアイをあなどるのは危険

まず、代表的なものとしてはドライアイがあげられる。日ごろからデスクワークやパソコン作業などで目が乾き気味の人からすれば、ドライアイは日常茶飯事。それだけに事態を深刻に受け止めず、点眼のみで対処している人も多いはずだ。

ドライアイ

目を保護している涙量の不足や、涙の質のバランスの崩れなどによって涙が均等にいきわたらなくなり、目の表面に傷が生じる病気を指す。

だが、ドライアイが悪化すると目の細胞が欠落することも。欠落した箇所は肌のターンオーバーによって補われるが、それが間に合わないうちに細菌やアメーバが欠落箇所に侵入してくると結膜炎や角膜炎、角膜潰瘍といった病気を引き起こす。角膜潰瘍は下手をすると失明につながりかねない。

「汚れたコンタクトを装用し続ける」といった不適切なコンタクトの使用がドライアイの悪化につながるため、常に清潔なレンズ装用を心がけるように。

目の表面がすりガラスのようにざらついてしまう点状表層角膜症(てんじょうひょうそうかくまくしょう)も、コンタクトが原因で頻発する病気の一つだ。

点状表層角膜症

目の酸素不足やコンタクトレンズと角膜の摩擦、汚れたレンズの装用などによって、角膜の表面にあたる上皮が一部脱落することが原因で発症する。

コンタクトを一定期間外していれば大半の場合は症状が治まるが、「症状があまりにひどいと、激しい痛みが特徴の角膜上皮剥離や角膜潰瘍に移行する恐れもあります」と味木医師は話す。

角膜の上皮に関わるもう一つの疾患・角膜びらんもコンタクトレンズの使用が原因でよく起きる。

角膜びらん

角膜上皮が部分的にはがれてしまう病気。「まつげエクステンションや爪などによる外傷」「コンタクトレンズの不適切な使用」「ドライアイ」などを原因として発症するパターンがある。角膜びらんになると上皮細胞のバリア機能が失われるため、細菌が増殖しやすい。

●目の病気を簡単に予防する方法

これまでに紹介してきた3つが、コンタクトが原因でよく起きる目の病気の「三本柱」的な存在と言える。いずれの疾患も「レンズを清潔に保つ」「必要最低限の時間のみレンズを装用する」といった簡単な決まりを遵守していれば、防げるものばかりだ。

レンズにもよるが、汚れがひどく固着していた場合はたんぱく除去を行うのも一つの手段。レンズを購入した施設で、どの除去剤を用いればよいかを聞いてから実施すれば、安全度はより高まる。

「それと目薬を使用するのも予防策として有効です。その際は、コンタクトレンズの上から点眼できる製品を必ずセレクトしましょう。成分が生理食塩水(涙)と似ている人工涙液型の目薬を絶えず差せば、アレルギー物質や細菌をウォッシュアウトできるし、ドライアイも回避できます。点眼するだけでもいろんなことが防げますよ」

さらに盲点的な存在なのがレンズケース。どれだけレンズを清潔にしようが、そのレンズを保管しているケースが汚れていては全く意味がない。ただ、こういったケースがみられるのは決して珍しくないと味木医師は話す。

「角膜病変に出てくる細菌を検査すると、ケースから同じ菌が検出されることが多いですね。自分のレンズケースに潜んでいたり、顔に棲みついていたりする細菌が原因で起きる病気は結構あります」

コンタクトレンズのみならず、その周辺アイテムにも十分なケアをする必要があると覚えておこう。

○「マイドクター」を持つ必要性

コンタクトレンズは有用性が高いアイテムである。ただ、その効果と利便性を毎日のように享受していると、コンタクトへの依存度は高まる一方。その結果、ワンデータイプのものを数週間にわたって使い続けるなどの乱暴な使い方で、目の病気を招いてしまうことも起こりえてしまう。

そのような事態を避けるためにも、味木医師はコンタクトならコンタクトで、気兼ねなく聞ける「マイショップ」を持つことを推奨する。

「何でも遠慮なく相談できる自分専用のお店をつくれば、ちょっと不安なときにもすぐにいろいろと聞けますよね。同じように眼科専門の『マイドクター』をもつことと、3カ月ごとの検診もお勧めです。最近はメーカーも数多くの製品を出しているので、人によっては今使用している製品よりもいいものに出会える可能性があります。眼科では複数の製品を試せるので、賢く眼科を活用してください」

※写真と本文は関係ありません

○記事監修: 味木幸(あまき さち)

あまきクリニック院長、慶緑会理事長。広島ノートルダム清心高校在学中に米国へ1年の留学。米国高校卒業後に母校に戻り、母校も卒業。現役で慶應義塾大学医学部入学。同大学卒業後、同大学眼科学教室医局入局。2年間の同大学病院研修の後、国家公務員共済組合連合会 立川病院、亀田総合病院、川崎市立川崎病院・眼科勤務。博士(医学)・眼科専門医取得。医師として痩身や美肌作り、メイクアップまでを医療としてアプローチする。著書も多数あり。