5月31日に行われた、第9回AKB選抜総選挙の速報発表で、松井珠理奈、指原莉乃、渡辺麻友という、錚々たる人気メンバーを抑えて、大波乱の主役となった荻野由佳(NGT48 チームN3)。

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 しかしながら、年々ファン以外の関心が薄れていく総選挙のこと、この世紀の番狂わせも、ネットの話題は人気メンバーの順位の話や、責任のなすりつけ合い、さらには毎度毎度出てくる「不正選挙」という根も葉もない噂で埋め尽くされている。「総選挙の時期は特に、メンバーを貶す人が増えるので、ネットは見ない」というファンも多く、賛否両論のイベントではあるのだが、昨年の圏外から、いきなり暫定1位になった荻野由佳はどんな子なのかということに触れておきたいと思う。

 彼女の有名なエピソードとしては「不屈の闘魂の持ち主」という物。

 これまで、確認されただけでも、3回以上AKBのメンバー募集に応募して、不合格にされており、ようやく受かって研究生になったものの、セレクションで落とされてもいる。それでも、期間限定で募集されたバイトAKBという企画で活動をし、その後行われたドラフト会議でNGT48のスタートメンバーに選ばれた苦労人ということだろう。

 ただし、苦労人だから票を集めたというわけではない。

 落とされても落とされても、アイドルになることを諦めなかった彼女は、誰よりもアイドルという職業にプライドというか、理想像を持っており、なかなか全国区のテレビ番組への出演はできないものの、劇場や地元新潟のテレビでは積極的に発言をしつつも、メンバーをたてることも忘れない。

 さらにファンに対する気配りもでき、握手も丁寧で、グループをしっかりまとめている、性格のよさとプロ意識の高さがじわじわと評価されてきたといっていいだろう。

 昨年、記者が見た公演(NGT劇場)でも、劇場を盛り上げる三枚目的なところもありつつ、歌のときには、気持ちのこもった表情で切々と歌い上げるところもあり、正直ぱっと目立つ存在ではなかったものの、終わったあと、なぜか印象に残るというタイプの味のあるメンバーであった(あくまでも記者の主観)。

 速報とはいえ、注目を浴びた1位のチャンス。誰に勝った、負けたではなく、なかなか知られていない彼女の魅力を、投票したファンの人たちには語ってほしいと思う。その方が、順位以上に、彼女にとって、あるいはNGTにとっては、大切なことではないだろうか?