By Basheer Tome

一見するとキレイに見えているプールでも、実はその水の中には「おしっこ」が少なからず含まれていることが明らかになっています。中には「消毒剤がキレイにしてくるから」と、プールでおしっこをすることを躊躇しない人もいるようですが、実はその行為が危険なものであることが科学的な目線から明らかになっています。

Peeing in the pool is actually really bad for you | Popular Science

http://www.popsci.com/peeing-in-pool

オリンピック競泳金メダリストのマイケル・フェルプス選手が「みんなプールの中でオシッコをしていると思う」と語っているほど、実はプール内での放尿行為は珍しくないのかもしれません。その理由の多くは「あれだけ大量の水があるのだから人がおしっこしたところで大したことはない」というものや、「水に入れられている塩素が中和してくれる」というものまでさまざまあると考えられますが、アメリカ・パデュー大学の環境工学研究者であるアーネスト・ブラックリー氏は、「プールで1人ぐらいなら大した問題にはなりません」としながらも、「プールの中にある化学物質が濃縮されることで、人体に悪影響を与える可能性を示す証拠を確認しています」と、知られざる「プール内おしっこ」の危険性を語っています。

人の尿には非常に多くの化学物質が含まれています。そのほとんどは、消毒剤として水に混ぜられている塩素に反応して問題ないものになりますが、尿酸やいくつかのアミノ酸は塩素と反応することで、三塩化窒素(トリクロロアミン)や塩化シアンといった、人体の健康に影響を与えるものへと変化するとのこと。



ブラックリー氏によると、これらの物質は比較的早く分解されるため、常に危険が生じるわけではありませんが、水の状態やプールを利用している人数、気温など、さまざまな要因が重なることで特に濃度が高い状態になってしまうことが考えられます。三塩化窒素はぜんそくの症状を持つ人の病状を悪化させる可能性があるほか、皮膚や眼球に刺激を加えることもあります。また、塩化シアンは人体が酸素を消費する能力に影響を与えるとのことで、呼吸によって体内に取り込まれるとやはり良くない影響が及ぶ可能性があります。

ブラックリー氏は、ほとんどのプールではこのような問題が起こるわけではないとしていますが、特に混み合ったプールにおいては問題の発生が予測されるとしています。

それでは「塩素をもっと加えればいいのでは?」という考えが浮かぶかもしれませんが、先述の理由の通り、これは逆効果になってしまうとのこと。そもそも、塩素がおしっこの一部の成分と反応して攻撃性のある物質へと変化するわけなので、むしろ危険度を増す行為といっても過言ではない状態です。

ブラックリー氏が考える対処法は、プール内での放尿行為は、「歩きタバコと同じぐらい危険である」という概念を広める重要性とのこと。かつてはさほど問題にされなかった街中でのタバコも、今では受動喫煙という考え方によって「他の人に悪影響を与える行為」として認識されるに至り、今では喫煙者は肩身の狭い思いをするまでに至っています。これと同じ考え方を、プール内での放尿行為に対してあてはめることで、人々の意識を変え、「プール内のおしっこは自分にも、そして周りの人にも悪影響を与える行為である」という考え方を浸透させることであると語っています。



By Matt Deavenport